kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「火刑法廷」 ジョン・ディクスン・カー

200年前に処刑された毒殺魔にそっくりな女性。
壁に消える貴婦人。
納骨堂から消えた死体。

怪奇ロマンのように始まったストーリーが見事な伏線回収ですっきり解決、
と思いきや、さらに・・・
というお話。



結末に賛否がある作品ですが、論文じゃなくて小説ですからね。
謎があるのもまた楽しい。
読み終わった後にまた最初から読み返したくなるし、2度楽しめる作品です。

私がミステリーを読む楽しみは魅力的な謎。
パズルストーリーとして面白ければ、それで充分。
そういう意味ではベスト10には入る作品ですね。

中盤の登場人物たちの議論も
作品の中で登場人物が事件について議論する展開はかなり好きでして、
カー作品の魅力の一つだと思ってます。

新訳版


ちょっとネタバレ↓


オカルト的な謎が現実的に解明されるところはいいのですが、
「誰かに見られているような」は、実は警察が監視していた。
「消えた写真」は、本人が落としたことに気付かなかっただけ(笑)
「誰かに呼ばれているような」は、親切にも落し物を届けようとしてくれた人。
これは"オチ"なのか?(笑)


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「キングの身代金」 エド・マクベイン

懐かしの87分署シリーズ。

黒沢明がこの作品から『天国と地獄』の発想を得たことで有名ですが、
内容はまったく違ってます。

こちらはいかにも昔のアメリカの警察ドラマ。
個性的な刑事と行き当たりばったりの犯罪者。
身代金受け渡しの緊張場面などはないです(^_^;)

でもまだ50・60年代は犯罪もけっこうのんびりしてるんですよね。

スティーブ・キャレラ刑事とかマイヤー・マイヤー刑事は有名かと思ったんですが、
検索してもあまりヒットしなかった。
過去のキャラになってしまったのかな。
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「大博打」 黒川博行

誘拐ものです。
黒川作品は読まず嫌いをしていたんですが、これは面白かった。



72歳の老人が誘拐され、息子である会社社長に身代金の要求があった。
それがなんと、金塊2トンという、とんでもない要求。
金額も大きいが当然重量も大きい!
はたして犯人は、どうやって受け取るつもりなのか?

この受け渡しのトリックもなかなか盲点で面白いのですが、
なんといっても読みどころは誘拐された老人のキャラ。
大阪商人というか、なかなかの曲者で「大誘拐」のお爺さん版という感じ。
私は「大誘拐」はあまりがハマらなかったので、こちらが方が好きですね。

関東人としてちょっと取っつきにくいところは登場人物のキャラが濃いところかな(笑)

冒頭、身代金を運ぶ車を密かに尾行して警護する警察の車。
その中の会話は、「退屈やな。ラジオかけてくれ」えっ(・_・;)
ラジオで流れるナイター中継、そして始まる阪神談議(笑)

もう一人、身代金を運ぶのは、なぜか社長の愛人なんだけど、
この女がまたとんでもない行動を・・・
まあ、愛人の父親の安否なんかどうでもいいよね。自分が大事。
でもびっくり(笑)

そんな始まり方ですが、読後感はいいし、
新喜劇みたいな警察に慣れれば、かなり面白かったです(^・^)


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「どんなに上手に隠れても」 岡嶋二人

前回書いた「99%の誘拐」より、こちらの方が面白かった。

テレビ局から売出し中のアイドルが誘拐される事件。
まだ新人なのでスタッフも少なく、控室で一人になったところを連れ去られた。

身代金は1億円。
所属事務所にはお金がないので、
身代金はCM出演が決まっていたスポンサーが肩代わりすることになる。
その裏には、人質解放と同時にCMを流せば
一気に商品の知名度が上がるという計算があった。
そこから代理店、フリー記者など、様々な利害が絡んできて
奇妙な誘拐事件になっていく。

なんでもお金に換算する世界は怖い。

裏でいろいろ損得勘定をする芸能・マスコミ界も面白いけど、
なんといっても身代金受け渡しがスリリングでユニーク。
これは盲点でしたね。

そういう点で、今でもトップレベルの誘拐小説だと思いますね。

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「99%の誘拐」 岡嶋二人

「鞆の浦」で思い出して読み返したくなった作品。
1988年の作品なので、28年ぶりくらいの再読。

実は前に読んだときに、ものすごく面白かった記憶があったんですが、
今回再読したら、記憶していたよりあっさりした事件だった。

PCを駆使した誘拐事件ですからね。
当時は驚きの機能の数々も、今なら当たり前のことばかり。
ゲームを町に持ち出すことなんて、28年前なら斬新ですよね。

今読むと、むしろ第1章で起こる事件の方が緊張感があって面白かったです。
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「赤い右手」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ

わ~~びっくり。
これもミステリーなのね。
ある意味、盲点を突いたミステリーです。

意外な犯人、意外なラスト、騙しのテクニックも出尽くした感がありますが、
まだこの手が残っていたか。



98年「このミス」、海外2位。
タイトルは有名だけど、全集に入っている作品なので、
なかなか読む機会がなかったんですが、
14年に文庫版が出て入手しやすくなりました。

ただ、評価が最低から最高まで極端に分かれていて、
なかなか手が出なかったんですよね。

いろいろなところで話題になっていたので、ついに読んでみました。
結果は・・・
なんというか良くも悪くも評価通りだった(笑)

面白いという方の言っている意味もわかるし、
くだらないという方の言い分も正しい。
要するに読者を混乱させる文章で構成されている小説。

それを1つのトリックとしてみれば
トリックの死角をついた作品ということになるし、
意図されたものではないと考えれば、小説として支離滅裂という感想になる。

個々人のミステリーの定義や求めるもの、
さらには好みで変わることかもしれませんね。

読者が一番最初に感じる数々の疑問、不審、怪訝、懐疑、
それをそのまま放置して最後まで持っていく強引さはすごい。
でも、一応ちゃんと説明されてるんですよね・・・

以下はネタバレで

倒叙ものを書こうとして失敗した作品かと思った(^_^;)

そもそもまず不審に思うことは、「なぜハネムーンの途中で放浪者を車に乗せるのか?」
しかも死んだ猫を抱いてたボロボロの服を着た男なんですよ。
女性の連れがいたらスルーしますよね。

その他、
ギザギザ帽子はどこで手に入れたのか?
自動車整備業者はデクスター氏しかいないのか?
NYにはリドルという人しかいないのか?

だいたい真犯人なら「車を見ていない」と言い張ることはないと思うよね。
「通り過ぎて行った」と言った方が整合性があって疑われないんだから。

もういろいろ謎。


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「チムニーズ館の秘密」 アガサ・クリスティ

学生時代に2回ほど読み始めたことがあるんですが、2回とも途中で挫折。
30年くらいかかってやっと最後まで読めた~~~
本当に退屈な話なんです。
タイトルはこの上なく魅力的なのにね。


ロンドン郊外にあるケイタラム卿の別邸チムニーズ館は
数々の歴史の舞台となった由緒ある屋敷。
そこである国際的陰謀のために秘密のパーティが開かれることになった。
しかしその前夜、客の一人が屋敷の中で殺される。

う~ん、いろいろと詰め込みすぎではないだろうか。
・バルカン諸国のある国のクーデター→王政復古。
・王位争いの陰謀と石油利権。
ここまでならスパイ小説かと思いますが、違います。
まだまだある。

・隠された女王のダイアモンドと、それを狙う変装名人の怪盗。
・不倫をネタに脅迫される貴婦人。
宝探し、ロマンス要素まで詰め込まれています。

もう何がメインの事件なのか、
何を解決すればいいのか、
いろんな事件が絡み合って、どんなストーリーなのかもわからなくなってる。

映像で見た方がわかりやすいんじゃないかと思うけど
ドラマの「チムニーズ」はまったく別のストーリーだから参考にならないし、
どこかで原作に忠実に映像化してくれないだろうか。
面白くなるかはわからないけど・・・

まあでも最終的には、たいした山場もなく解決します。

で、ちょっとストーリーから離れた話題ですが、
海外ミステリーに時々登場する「誰にも見破れない変装名人の怪盗」って
面倒くさい存在ですよね。
カーの「一角獣の殺人」なんかにも登場して、ひたすら話をややこしくしてる。

こちらは文章で読んでるだけだから変装を見破れるわけもなく、
要するに「登場人物の一人が偽物。さて誰でしょう?」という意味。
なんでこんな設定をするのか、その理由がミステリー。
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「予告殺人」 アガサ・クリスティ

なんとなく目についた本を選んで読んでいるだけなのに
同じようなトリックの作品を続けて読んでしまうのはなぜなんでしょう??

ミス・マープルものです。
今回の舞台はセント・メアリ・ミードではなく、
マープルの姪の住む小さな村チッピング・クレグホーン。



小さな村の掲示板のような新聞・ギャゼット紙に奇妙な広告が掲載された。
それは「殺人お知らせ申し上げます」
場所は村一番のお屋敷リトル・パドックス館。
趣向の変わったゲームだと思った住民たちは予告時間に興味津々で集まってくる。

そしてもちろん、ちゃんと殺人事件が起こるわけです。
小さな村の限られた住人の中で起こる殺人事件。
容疑者もごく限られるので、クローズドミステリー的楽しみもあります。

クリスティは実はマープルものの方がトリックメインのパズル的な作品が多いんですよね。
この作品もヒントが実にフェアです。
「読者への挑戦」をつけたくなるくらい。
フェアすぎて予想がついてしまったりしますが(^_^;)

最初の方の、なにげない一文が最後の決め手になるところは見事でした!

ここからはネタバレで

殺されかけて未遂に終わった事件が起こると、
だいたい狙われた人物が犯人なんですよね。
それでなんとなく予想してしまいました(^_^;)

成り代わりと入れ替わりが同時に出て来るミステリーも珍しいですね。

でもミス・マープルがものまね名人だったとは知らなかった(笑)


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