kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「どんなに上手に隠れても」 岡嶋二人

前回書いた「99%の誘拐」より、こちらの方が面白かった。

テレビ局から売出し中のアイドルが誘拐される事件。
まだ新人なのでスタッフも少なく、控室で一人になったところを連れ去られた。

身代金は1億円。
所属事務所にはお金がないので、
身代金はCM出演が決まっていたスポンサーが肩代わりすることになる。
その裏には、人質解放と同時にCMを流せば
一気に商品の知名度が上がるという計算があった。
そこから代理店、フリー記者など、様々な利害が絡んできて
奇妙な誘拐事件になっていく。

なんでもお金に換算する世界は怖い。

裏でいろいろ損得勘定をする芸能・マスコミ界も面白いけど、
なんといっても身代金受け渡しがスリリングでユニーク。
これは盲点でしたね。

そういう点で、今でもトップレベルの誘拐小説だと思いますね。

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「99%の誘拐」 岡嶋二人

「鞆の浦」で思い出して読み返したくなった作品。
1988年の作品なので、28年ぶりくらいの再読。

実は前に読んだときに、ものすごく面白かった記憶があったんですが、
今回再読したら、記憶していたよりあっさりした事件だった。

PCを駆使した誘拐事件ですからね。
当時は驚きの機能の数々も、今なら当たり前のことばかり。
ゲームを町に持ち出すことなんて、28年前なら斬新ですよね。

今読むと、むしろ第1章で起こる事件の方が緊張感があって面白かったです。
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「赤い右手」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ

わ~~びっくり。
これもミステリーなのね。
ある意味、盲点を突いたミステリーです。

意外な犯人、意外なラスト、騙しのテクニックも出尽くした感がありますが、
まだこの手が残っていたか。



98年「このミス」、海外2位。
タイトルは有名だけど、全集に入っている作品なので、
なかなか読む機会がなかったんですが、
14年に文庫版が出て入手しやすくなりました。

ただ、評価が最低から最高まで極端に分かれていて、
なかなか手が出なかったんですよね。

いろいろなところで話題になっていたので、ついに読んでみました。
結果は・・・
なんというか良くも悪くも評価通りだった(笑)

面白いという方の言っている意味もわかるし、
くだらないという方の言い分も正しい。
要するに読者を混乱させる文章で構成されている小説。

それを1つのトリックとしてみれば
トリックの死角をついた作品ということになるし、
意図されたものではないと考えれば、小説として支離滅裂という感想になる。

個々人のミステリーの定義や求めるもの、
さらには好みで変わることかもしれませんね。

読者が一番最初に感じる数々の疑問、不審、怪訝、懐疑、
それをそのまま放置して最後まで持っていく強引さはすごい。
でも、一応ちゃんと説明されてるんですよね・・・

以下はネタバレで

倒叙ものを書こうとして失敗した作品かと思った(^_^;)

そもそもまず不審に思うことは、「なぜハネムーンの途中で放浪者を車に乗せるのか?」
しかも死んだ猫を抱いてたボロボロの服を着た男なんですよ。
女性の連れがいたらスルーしますよね。

その他、
ギザギザ帽子はどこで手に入れたのか?
自動車整備業者はデクスター氏しかいないのか?
NYにはリドルという人しかいないのか?

だいたい真犯人なら「車を見ていない」と言い張ることはないと思うよね。
「通り過ぎて行った」と言った方が整合性があって疑われないんだから。

もういろいろ謎。


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「チムニーズ館の秘密」 アガサ・クリスティ

学生時代に2回ほど読み始めたことがあるんですが、2回とも途中で挫折。
30年くらいかかってやっと最後まで読めた~~~
本当に退屈な話なんです。
タイトルはこの上なく魅力的なのにね。


ロンドン郊外にあるケイタラム卿の別邸チムニーズ館は
数々の歴史の舞台となった由緒ある屋敷。
そこである国際的陰謀のために秘密のパーティが開かれることになった。
しかしその前夜、客の一人が屋敷の中で殺される。

う~ん、いろいろと詰め込みすぎではないだろうか。
・バルカン諸国のある国のクーデター→王政復古。
・王位争いの陰謀と石油利権。
ここまでならスパイ小説かと思いますが、違います。
まだまだある。

・隠された女王のダイアモンドと、それを狙う変装名人の怪盗。
・不倫をネタに脅迫される貴婦人。
宝探し、ロマンス要素まで詰め込まれています。

もう何がメインの事件なのか、
何を解決すればいいのか、
いろんな事件が絡み合って、どんなストーリーなのかもわからなくなってる。

映像で見た方がわかりやすいんじゃないかと思うけど
ドラマの「チムニーズ」はまったく別のストーリーだから参考にならないし、
どこかで原作に忠実に映像化してくれないだろうか。
面白くなるかはわからないけど・・・

まあでも最終的には、たいした山場もなく解決します。

で、ちょっとストーリーから離れた話題ですが、
海外ミステリーに時々登場する「誰にも見破れない変装名人の怪盗」って
面倒くさい存在ですよね。
カーの「一角獣の殺人」なんかにも登場して、ひたすら話をややこしくしてる。

こちらは文章で読んでるだけだから変装を見破れるわけもなく、
要するに「登場人物の一人が偽物。さて誰でしょう?」という意味。
なんでこんな設定をするのか、その理由がミステリー。
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「予告殺人」 アガサ・クリスティ

なんとなく目についた本を選んで読んでいるだけなのに
同じようなトリックの作品を続けて読んでしまうのはなぜなんでしょう??

ミス・マープルものです。
今回の舞台はセント・メアリ・ミードではなく、
マープルの姪の住む小さな村チッピング・クレグホーン。



小さな村の掲示板のような新聞・ギャゼット紙に奇妙な広告が掲載された。
それは「殺人お知らせ申し上げます」
場所は村一番のお屋敷リトル・パドックス館。
趣向の変わったゲームだと思った住民たちは予告時間に興味津々で集まってくる。

そしてもちろん、ちゃんと殺人事件が起こるわけです。
小さな村の限られた住人の中で起こる殺人事件。
容疑者もごく限られるので、クローズドミステリー的楽しみもあります。

クリスティは実はマープルものの方がトリックメインのパズル的な作品が多いんですよね。
この作品もヒントが実にフェアです。
「読者への挑戦」をつけたくなるくらい。
フェアすぎて予想がついてしまったりしますが(^_^;)

最初の方の、なにげない一文が最後の決め手になるところは見事でした!

ここからはネタバレで

殺されかけて未遂に終わった事件が起こると、
だいたい狙われた人物が犯人なんですよね。
それでなんとなく予想してしまいました(^_^;)

成り代わりと入れ替わりが同時に出て来るミステリーも珍しいですね。

でもミス・マープルがものまね名人だったとは知らなかった(笑)


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「ユダの窓」カーター・ディクスン

密室トリックばかりが取りざたされる作品ですが、
内容は意外にも正統派の法廷ミステリー。
そしてさらに意外にもH・M卿が本職で見事な仕事ぶりを見せてます!



事件の概要はプロローグの14ページで説明されることのみ。

・ジェームズ・アンズウェルは恋人の父親ヒュームに電話をして、
結婚の承諾を得るためにヒューム邸を訪ねる約束をする。
アンズウェルは由緒ある家系の出身で資産家。
当然、ヒュームも娘の結婚に反対する理由はなく、快く招待。

・ところが翌日、アンズウェルがヒューム邸を訪ねると父親の態度は一変。
敵対心剥きだしでアンズウェルを糾弾する。
わずか1日の間にどのような状況の変化があったのか?

・なんの心当たりもなく当惑するアンズウェル。
ヒュームに勧められるままにウイスキーを飲み意識を失う。
気が付いたときには部屋のなかでヒュームが死んでいて密室状態だった。

・アンズウェルは逮捕されて裁判が始まる。

この苦境からアンズウェルを救えるのか?

そこで登場するのが被告を弁護するH・M卿。

単純だと思われていた事件にこんなに関係者がいたのかと、
驚くほど次々に出て来る証人。
彼らの証言から隠されていた事柄が徐々に明らかになる。

それにしてもヒューム氏や関係者は、いろいろ胡散臭いことが多すぎる。
このあたりの緊張感と、それを台無しにするH・M卿の発言が絶妙。

基本的なところで難点もありますが、裁判の過程は面白いです。

以下【】内はネタバレなので反転してください。


そもそも事件のきっかけになった「キャプテン」と「キャプロン」の聞き間違いってあり得るのかな?
かりに聞き違えたとしてもアンズウェルという姓が同じなんだから
もう1度確認すればいいのに。
だいたい相手の態度でもおかしいと思うはずじゃないのかな。
ちょっと短絡的ですね。

もうひとつ、
そんなに都合よく鍵穴を覗きこむものなのかと納得できなかったけど、
その後に読んだ海外ミステリー3作品で、登場人物がみんな鍵穴から
覗いていたので、鍵穴付ドア文化圏では日常の風景と知りました(笑)。


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「まるで天使のような」 マーガレット・ミラー

ヒッチハイクの途中で偶然立ち寄った謎めいた宗教施設。
そこの修道女から、一人の男を探すように頼まれたクイン。

男が住んでいたという町に行ってみると、
・探している男は6年前に失踪したこと、
・同じ町で同時期に大きな事件が続けて起こっていたことがわかる。
クインが報告のために修道院に戻ると、
調査を頼んだ修道女は隔離され正気を失っていた。



失踪事件や事故、バラバラだと思っていたことがすべて一つにつながるところは見事。
でも、ちょっと長いかな。

こんな感想を書いていてなんなんですが、
あとがきにもあるように、なんの先入観も持たないで読んだ方が面白いです。
できればカバーや見返しも見ないでね。

ちょっとネタバレ。

アルバータが言っていたこと、
オゴーマンのせいでミスをしたというが本当だったのが驚き。
マーサのやったことが今一つわからない。
夫が行方不明になったことを納得していたということ?


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「新車のなかの女」 セバスチアン・ジャプリゾ

ほぼ50年ぶりの新訳?

サスペンス色が強い作品ですが、実に細かく計算されて書かれているので、
謎解きとしても一級品。
読み終わった時、・・・というより途中でびっくり。
「騙された」感が爽快です。



タイピストのダニーはバカンス旅行に出かける社長の車を空港で預かって
自宅へ戻しておくように頼まれる。
それが新車のサンダーバード。
(まあ、この設定からして疑問は感じますよね・・・)

高級外車で高速道路を走っているうちに昂揚感を感じたダニーは、
車を無断拝借して南仏へ向かうことにする。
車は社長が海外から戻るまでに返しておけばわからないだろうという都合のいい考えで。
ちょっと疑似セレブ気分になってしまったわけですね。

ところがここから状況がおかしくなる。
途中で寄った村で、見知らぬ女性から忘れものだというコートを渡される。
今朝早く、同じ車に乗って同じ服を着た女が村の店にコートを忘れたという。
ダニーはもちろん、この村に来るのは初めてなのに。

さらに行く先々で自分を知っている人たちに出会うことになって、
悪夢に巻き込まれていく。

ここからはネタバレで。
入れ替わりがずいぶん杜撰だと思ったけど、
計画ではダニーは死んでいるはずだから、
ふたり並べて比較することができない。
車やファッションが印象に残るくらいでもいいわけなんですね。

このストーリーだと真相は成りすましか多重人格しかないはず。
ダニーのあやふやな記憶を除いて他人が関与した確実な事実を並べていくと
どちらなのかわかりますね。

決めては他人にも確認できる事柄。
・手の怪我
・車の修理
・コート
まあコートが出たことで犯人はわかります。


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