kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「暗闇の薔薇」 クリスチアナ・ブランド

この本を読み終わったのが、3月10日。
翌11日の夜に感想を書くつもりが、あの地震でそのまま。
気がついたら半年近く過ぎてました。

1979年発表のクリスチアナ・ブランドの最後の作品。
まさに集大成というにふさわしい傑作。

暗闇の薔薇 (創元推理文庫)暗闇の薔薇 (創元推理文庫)
(1994/07)
クリスチアナ ブランド

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嵐の晩、元女優のサリー・モーンは正体のわからない追跡者から逃れるために
車をとばしていた。
しかしその途中、強風で倒れた木に道をふさがれてしまう。
そこへ反対側から走って来て同じように行く手をふさがれた車が現れる。
先を急ぐ二人は、お互いの車を交換。
サリーは無事に家に戻ることが出来たが、翌朝、その車の中から死体が発見される。
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なんといっても象徴的なのは、冒頭に登場人物紹介と共に書き込まれている宣言。
「以上の九人の中に、殺人の被害者と犯人がいる。
この殺人に共謀はないものとする。」


読者への挑戦であり、フェア宣言。
そして、それにふさわしい正攻法の本格もので、謎解き派には堪えられない作品です。

序盤のさりげない描写が、すべてラストの謎解きにつながってくる。
手品のような伏線とヒント。
読み返しながら1つ1つ確認したけど、本当にあれもこれもきちんと書き込まれてました。
その整合性は見事というにつきます。

また、関係者をひとりづつ容疑者に仮定して犯行の仮説を立て、実行不可能な関係者を振り落としていくというブランド流の推理展開は、この作品でも継続されています。
ただ、犯行の可否を判定するのが、精神不安定&挙動不審のヒロインなので、やや妄想的仮説になっていますが。
そんなところは、ある意味、過去の自作へのオマージュかもしれないと推察したりもしますね。

ひとつ難点をいえば、ヒロインの性格かな。
常に自分が話題の中心になっていないと耐えられないタイプ。
そのためには平気でウソもつく。そのために中盤はかなりイラつきます(^^;)
でもこのヒロインのキャラクターがなければ成立しないミステリーなんですよね。

以下はちょっとネタバレ


サリーの性格は最後まで読めば同情する境遇なんですが。

ヴァイ・フェザーの噂話の中に登場人物の謎がすべて語られていたところは見事。

サリーの発言の中のヒント。
・尾行者のルフィのものと同じ型、同じ馬力の車
・ルフィのように白い顔
・捕まえようと助手席から差し伸べられた血まみれの手と赤い手袋
・なくした定期券
・アンジェリコの噂話




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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. 海外ミステリー
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