kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「追想五断章」 米澤穂信

米澤作品は4作目。
以前に読んだ3作は、どれも既存のミステリのパターンに当てはまらない意外性に富んだものだったけど、この作品も期待を裏切らない出来でした。



古書店でアルバイトをしている菅生芳光は、店を訪れた女性客から、ある依頼を受ける。

それは、その女性の父親が書いた5編の小説を探して欲しいというもの。
5編の小説は主に同人誌に投稿されたもので、すべてがリドルストーリー。
そして女性の手元には結末の1文だけが保存されていた。

菅生が、その父親を知る人に話を聞くうちに、
5編の小説は過去のある事件に関係するものだということがわかる。


最近、国内ミステリーを読み始めると眠くなって困っていたのですが、
この本は謎めいた冒頭から引き込まれて、久しぶりに一気読み。

挿入されているリドルストーリーが面白いんですよ。
そして隠されていたラストの1文も、また謎めいている。
この小説にはいったい何が隠されているのかと、最後まで引き込まれました。

余計なエピソードは最小限に押さえられて、
すっきりまとまっているところも読みやすい1冊。

以下はネタバレ感想です。


 


プロローグが書き込まれているので、事件の謎解きは予想出来るし、
そのとおりに終わるわけですが、なんといっても5編の短編が面白い。

はじめに可南子から示された最後の1文は、たしかに結末にはなっているけど、
そのままだと、どうも謎が残ってしまう。

そこがすっきりしないところだけど、
その文を他の作品のラストに当てはめると、伏線ともぴったり一致して収まる。

眠っている少女が地獄に堕ちないのが不思議なほど罪にまみれてるなら、
火の中から現れるはずだし、一緒に殺されることを望んでいた被告の妻が嗚咽するなら
夫は一人だけ殺されたことになる。このあたりも見事な展開でした。

でも実は、可南子の手元にあったラストの文章を繋げると、
それが事件の解決になると思っていました。
そう予想した人も多いのではないでしょうか。



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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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