kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「第二の銃声」 アントニイ・バークリー

犯人探しというより、バークリーお得意の論理的実験小説。
言ってみれば「推理小説」への挑戦でしょうか。

第二の銃声 世界探偵小説全集 2第二の銃声 世界探偵小説全集 2
(1994/12)
アントニイ バークリー

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読み終わって最初に思い浮かんだのが東野さんの「名探偵の掟」。
「推理小説」そのものをネタにしているという点では、共通点があるような気がします。

現在では誰でも認識しているお約束、
本格ミステリーに登場するような凝りに凝ったトリックは現実の事件ではありえないこと、
警察の捜査は事実を積み上げていくもので、名探偵の論理的試行錯誤方式とはまったく違うということを小説の中で揶揄している。というと言い過ぎになりますが、名探偵(読者)の陥る罠を証明しようとしている作品ですね。

そういう仕掛けなので、犯人はすぐわかってしまうと思いますが、
そこからが、この小説のトリックです。
いわば、この作品全体が読者への挑戦なんですね。

事件の発端は犯人探しゲーム。
ゲームの筋書きの中で本当の殺人事件が起こる。
その場にいた人のほとんどに犯人である可能性がある。
それを証明は出来ないけれど、推察することは出来る。
そしてその推察を1つ1つ論破していく、ある意味、おなじみの手法です。

続きはネタバレ
 

ピンカートンの性格が手記の前半と後半で違いますね。
誇張、あるいは演出が含まれているということなんでしょう。

前半の手記のピンカートンは自我が肥大して他人を見下し、
おそらく小心に起因するだろう女性に対する偏見を持つ性格。
外見もさえないようで小柄で運動嫌い、鼻眼鏡をしている。

そんな男になぜかアーモレルが惚れる。
これが不思議なんですよね。
と、さらに学生時代に射撃大会で優勝というエピソードも加わる。
ここで急にイメージが変わってくるんですよ。

もしかしたら読者がイメージしているピンカートンと、
現実の彼は違うキャラクターではないのかと。
ここがポイントでしたね。

あとは手記の中の
「エリックは私が寝かせた状態のまま横たわっていた」
「私は舞台に少しばかり手を入れることに専念した」
という記述がわかりやすいヒントでした



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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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