kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「死者のあやまち」 アガサ・クリスティ

読み終わったあとで事件の全容がわかると、なかなか複雑な事件なんですが、
どうも読んでいる時はそれが伝わってこない。とても単純に思えてしまう。
ミステリーゲームで現実の殺人が起こるという仕掛けだけが目立つんですね。



事件が起こるのはイギリス南西部の王朝風の建物、ナス屋敷。
付近の同様の屋敷は取り壊されたりユースホステルに改装されたりしていたが、
ナス屋敷だけはお金持ちの実業家に買い取られて、なんとかその姿を保っていた。
それでも改築されたり増築されて俗っぽい東屋なども建っている状態。

そんなナス屋敷で園遊会が開催される。
様々の趣向の中に、犯人探しゲームが企画された。
そのゲームのシナリオを作るために有名な推理作家が招待される。
それがポアロの新しい相方のオリヴァ夫人。

そして園遊会当日、犯人探しゲームの被害者役の少女が本当に殺されてしまう。
さらに屋敷の女主人までもが行方不明になる。

お金持ちの夫と、若くて美しい妻、屋敷に出入りする若い男たち、
こうなると、被害者は夫や妻のどちらか。

園遊会で殺されたのは近所に住む少女で、夫人の姿が見えないとなれば、
殺されたのか?駆け落ちか?
少女は夫人が姿を消した原因となるなにかを見たために殺されたのだとは、
誰もが考えること。

船着場の老人の言葉で、ほぼすべての裏事情がわかるけど、
あとは解釈の問題ですね。ポアロならずとも人違いしそうです・・・

続きはネタバレです。

 

表面に見える事件の裏に、もう1つの事件があるという複雑な話だけど、
それが複雑ではなくて単純に描かれているのがもったいない気がしました。

船着場の老人の言葉「このナス屋敷はやっぱりフォリアット家のものですわい」で、
夫妻のうちどちらかが一族の人間と見当がつくけど、やっぱりハティの方だと思ってしまった。

でもなにも殺すほどのことはないのではないかと。
92歳の老人と孫娘の言うこと、うわさの類ですむんじゃないのかな。
動機の弱さが弱点ですね。

ド・スーザが現れたとしてもハティだけが消えればよかったこと。
お金持ちの老人と結婚した若く美しい夫人が
ある日突然姿を消したら、世間は勝手なうわさ話を作ったとしても理由は納得するでしょう。

心配なら宝石や金目のものもいっしょに消えたことにすればいいし、
あるいは男からの呼び出しの手紙を偽造すれば、もっと確実。
殺人事件を起こすより、ずっと有効な手段ですよね。

スポンサーサイト
テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. アガサ・クリスティ
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0


 管理者にだけ表示を許可する
 

プロフィール

kigi

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター

ブロとも申請フォーム

« 2017 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

ブログ内検索

月別アーカイブ

06  05  03  02  01  11  10  09  08  07  06  05  02  01  07  06  04  03  02  02  08  07  04  03  01  12  10  09  07  05  03  02  01  12  11  10  09  02  01  12  11  10  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10 

フリーエリア

Yahoo!ボットチェッカー
Googleボットチェッカー
MSNボットチェッカー