kigi's Book Diary

本の感想ブログ

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「春にして君を離れ」 アガサ・クリスティ

ミステリーではありません。
メアリ・ウェストマコット名義で発表された一般の小説。
でもそこはクリスティですから、ミステリー作家的な視点で人間を観察してます。

真実と、真実であると思われていることとの違い、
何かを見るということ、認識するということはどういうことなのかを考えさせられる小説です。



あらすじを簡単に書くと、中年の主婦が旅先で足止めに遭い、
無為に過ぎる時間の中で我と我が人生と振り返るという話なんですが、
だからといって、「本当の自分を見つける」という単純な話でもありません。

ジョーン・スカダモアは弁護士の夫と3人の子供を持つふつうの主婦。
子供たちはすでに独立して、今は夫婦二人の暮らし。
そんな時に末娘がバグダッドで病気で倒れる。
看病のためにバグダッドに赴いたジョーンは、
帰りの途中で天候不良のため砂漠の宿泊所に足止めされてしまう。
他に宿泊する客もなく、何もすることがない1週間。
長い長い無為の時間の中で、否応なく自分の人生を振り返ってしまうジョーン。
そして気がついたのは、今まで自分が知っていたこと見ていたことは、
本当に起こったことと違うのではないかということ。


世の中には一人になることを恐れ、常に忙しくしていないと不安な人がいるけれど、
ジョーンもそんな一人。
一人になって考え事をして、ずっと考えないようにしていたこと、
見ないようにしていたことに気づいてしまうのが怖いんですね。

ではジョーンが砂漠で自分を見直して終わりかというと、
そう簡単には終わるわけもなく、人生の深遠を覗き込む気がするラストです。

最初の登場シーンから価値観が固定された完璧タイプとして描かれているので、
そこに破綻を読み取る人もいるかもしれないですが、
はたして破綻なのかどうかは疑問・・・ですね。

ここからネタバレ


 


みなさんはロドニーの農場経営問題をどう考えますか?
まだ子供が小さい時に夫が安定した職業を捨てて、
農場を始めたいと言ったら、ほとんどの妻は反対するのではないでしょうか。
どうしてもやりたいなら子供が独立してからにしてくれと思うよね。

もちろん家庭の事情、社会の事情、妻の考え方で違うとは思うけどね。

仕事が嫌だ嫌だと言い続ける男もどうかと思う。
弁護士を続けなくてはならなかったのはジョーンのせいだと言いたいらしいけど、
最終的に決めたのは自分自身。
みんなそうやって働いているわけでしょうに。

途中までは私もジョーンの固定観念や自己中心的なところに嫌気がさして
読んでいたんですが、家族の反応や対応がわかってくると、
ちょっと見方が変わってきました。

ジョーンのどこが嫌われ者? どこが哀れ?
どこにでもよくいる、ふつうのおばさん(夫ならおじさん)じゃないの?
という気もしますね・・・

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  1. アガサ・クリスティ
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:2

  1. 2008/07/07(月) 12:00:42 |
  2. URL |
  3. short
  4. [ 編集 ]
kigiさん、こんにちは~~
ラムさんの本を色々読まれていますね。
わたしもお借りしたので、興味深く感想拝見しました。
茶々、新解釈、面白い本ですよね。
わたしすごく感動してしまったですよ。
信長編も家康編も面白かったです。

そしてこの「春にして・・」
積んでございます。
読みたい読みたいと思っててまだ読んでない。
kigiさんのネタバレ以外の感想読んで、
これは読まねば
と改めて思った次第です。

それからあと、あの脱出ゲームの作者(neutral)
の新脱出ゲーム、
されましたか?
ちょっと物足りなかったけど、やっぱりあの人凄いわぁ。

  1. 2008/07/07(月) 20:34:53 |
  2. URL |
  3. kigi
  4. [ 編集 ]

はい。私もラムさんにはいろんな本でお世話になってます~

秋山さんの茶々は若い女性として等身大に描かれていて、
はじめてこの人物の内面に目が行った感じでした。
やっぱり歴史小説の世界は男性作家が多いから、
茶々も良くも悪くも高貴な姫として別世界の人として描かれることが多かったですからね。
等身大の茶々がどういう道を歩んで大阪夏の陣まで至るのか、
ぜひ続きを書いて欲しいと思いましたよ。

「春にして・・・」はshortさんのリストにも入っていたんですね。
たしかに興味深いあらすじですよね。タイトルもいいし。
でもミステリーではないというところで、ついつい後回しになってたんですが、
年齢的にもそろそろ潮時かと思って読んでみました(^^;)
なかなか考えさせられる内容、そしてラストでした。

neutralさんのミニゲームはやりましたよ~
あの美しい絵に惑わされますよね。
日記ブログ→(http://cat555.at.webry.info/200806/article_15.html)にも書いたけど、
ハサミ持って「切れるものないか~」と
部屋の中を歩き回る変な人になってました(笑)


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