kigi's Book Diary

本の感想ブログ

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  • 2017_11

「空飛ぶタイヤ」 池井戸潤

実際に起こった大型トレーラーの脱輪死傷事故、その事故を元にして描かれたフィクション。



02年1月、横浜市瀬谷区で起こった母子の脱輪死傷事故は、その後トレーラー製造メーカーのリコール隠し事件に発展して大きなニュースになったので、まだ記憶に新しいと思う。

これは事故を起こしたことで倒産の危機にさらされながら、
自らの潔白を証明しようとする運送会社の社長をメインに、
財閥系自動車メーカーの傲岸な体質を暴き出してた作品。

事故原因が整備不良とされたことから事故車両を所有してた赤松運送は
得意先を失い、取引銀行に融資を断られ危機的状況に陥る。
小さいながら堅実な経営をしていた社長や社員は、整備不良という原因に納得できず、
製造メーカーに再調査を依頼する。
しかし自動車会社の対応はまさに門前払いで、
調査結果の提示にも、さらには部品の返却にも応じない。

素人の私としては事故車両の調査を、その車の製造メーカーがやるということに
まず驚きました。なんだか、いくらでも誤魔化せる気がする。

そして財閥系といわれる大企業グループの体質にも驚愕。
会社に属する人間の根拠のないエリート意識、隠蔽と自己保身に終始する会社。
薄々は感じていたけど、ここまで腐っているんでしょうか。
もちろんフィクションではあるけれど、実際の事件の裁判での応答なんか考えると、
これに近いことはあるんだろうなと思ってしまいます。
まして作者が、作中に登場する財閥系銀行を連想させる銀行の出身ということを考えると余計に。

公的な事実の進展はほぼこの通りだったのではないかと思うので、勧善懲悪的結末も予想できるわけですが、そこに至るまでの運送会社社長の苦悩、思いがけないところから差し伸べられる援助など、二転三転するストーリーは文句なく面白い。

企業が利益を追求するのは権利なんだから、それを正当に追行しなくてはならないはず。不良品を販売するということは権利放棄だと、なぜ気が付かないんでしょう。

この事件のあとも製品不良事故は後を絶たないけど、
このままだと日本が倒産危機になるでしょうね。

強いてこの作品の難点を挙げれば、本のタイトルと「罪罰系迷門企業」なんていう章題。
これでちょっと退きました・・・

◆本の感想リスト◆
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テーマ : 読んだ本。    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・あ行
  2. / トラックバック:1
  3. / コメント:2

  1. 2006/12/11(月) 15:11:27 |
  2. URL |
  3. ちゃいむ
  4. [ 編集 ]
kigiさんの感想見てたら、面白そうな本なんだけど、確かにそのタイトルと章題は……;^^
もっと硬派なタイトルにすればいいのにね。
素材としては、そんな風に繋がるんだ、と驚き。
あのニュースを見たら、どうしたってトラックが悪い、ぐらいにしか世間は認識しないだろうし。
会社も公務員も学校も、みんな自己保身ばかりだねえ、最近は。

  1. 2006/12/11(月) 21:20:39 |
  2. URL |
  3. kigi
  4. [ 編集 ]
やっぱりそう思うよね。
内容が深刻なのに、タイトルがギャグって・・・
検索してブログ回っても「タイトル見て読むのやめようと思った」って書いてる人がいた。
損してると思うよ。
内容は文句なくお薦め。

でもこの元になった事件、まだ裁判中なのよね。
あきれたことにメーカーは一転、責任を否認し続けてます。
組織が大きくなるほど厚顔無恥になるよね。
国家なんて、個人だったら自分に恥じて出来ないようなことを平気でやるし。

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空飛ぶタイヤ

  1. 2007/01/28(日) 21:33:15 |
  2. 読書三昧
空飛ぶタイヤ池井戸 潤この厚さのうえに2段組。かなりのボリュームにちょっと躊躇したものの、読み出すととまらない。リコール隠し、さらにその泥の上塗り。あの自動車会社以外にモデルを思いつくことはできない。こういう小説って、出すのに規制とか賠償とかそういうのっ

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