kigi's Book Diary

本の感想ブログ

◆「一応の推定」 広川純

「一応の推定」(広川純)感想アップ。こちらから
松本清張賞受賞作。主人公は保険調査員。
保険全盛の時代、保険金査定の裏側は興味深いものがあるかも。
謎解きとしてはイマイチだけど、清張風のしみじみしたドラマでした。
 


第13回松本清張賞受賞作。

まさに「清張」的といえる社会性や地方色が全面に出た小説。
地道な調査をする主人公が登場し、山陰の漁港の鄙びた風景が描写される。
新作というよりなつかしい感じがしてしまうところが今の読者にどう評価されるか、
好みの分かれるところかもしれません。

主人公はベテラン保険調査員の村越。
定年間近の村越が最後に手がけた調査は老人の轢死事件。
真冬のホームから落ち、列車に轢かれた老人。
その老人には自殺を疑わせる切迫した事情があった。
自殺ならばもちろん保険金は支払われないし、調査員に報酬も入る。
はたして事故なのか自殺なのか・・・

導入部の感情を抑えた現実描写は特に好きな部分。
最近の小説は最初から大げさな謎を提示して脅かしながら、後半で失速するパターンが多いので、こういう静かな始まり方は返って期待させるものがあります。
ただ、不可解な謎になれた読者にはインパクトが弱いと思われてしまうかもしれませんが。

ベテラン調査員と保険会社のエリート社員の組み合わせは、ありがちな展開を予想させるけど、若さゆえの思慮不足はあっても過剰な問題行動がなくてよかった。
そういう無駄な描写がないところも好感が持てます。

ただ一箇所だけ引っかかる点があり、それがラストを想像させてしまうのが難点でした。

ネタバレ注意

【  頭痛薬や風邪薬が眠気を誘うのは常識ですよね。
人によってはめまいを起こすこともあるし。
当日の朝、薬を飲んだという妻の発言を無視するのは不審でした。
 】

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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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