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kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「沈黙のパレード」 東野圭吾


「禁断の魔術」以来、6年ぶりのガリレオシリーズ。
長編です。
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事件はとてもやりきれない悲惨なもの・・・
町の定食屋の看板娘の佐織は歌の才能に恵まれ歌手を目指してレッスンを受けていた。
しかし19歳になった2週間後に行方不明になり、
3年後にゴミ屋敷の火災現場で遺体が発見される。

容疑者として浮かび上がったのは佐織につきまとっていた常連客の蓮沼。
しかし逮捕された蓮沼は処分保留で釈放されてしまう。
蓮沼の有罪を確信する人々は復讐を計画する。
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この本の湯川はとってもカッコよくて、ドラマバージョンですね。
最初の頃はマッドサイエンティストに近いような変人だったと思うけど、
私としては、実はその頃の湯川の方が好きなんですよ。
「霊視る」「騒霊ぐ」なんて、変なタイトルの短編の方が好きでした(^_^;)

この中でも科学的なトリックは出てきますが、それがメインではなくて、
何層にも重なる事件の真相が徐々に明らかになっていく所が読みどころなので、
ガリレオシリーズでなくてもよかったんじゃないかと思うけど、
ただ事件の関係者と湯川の関係は、警官では出来ない関わり方だから、
そういうところでガリレオなのかもしれませんね。

・作品は創造者を裏切るというのは普遍のテーマだけど、
東野さんでは珍しいかも。
・「ユダの窓」は汎用性が高い。
・「見えないグリーン」のトリックも紹介されてますね。


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「リカ」「リターン」(五十嵐貴久)

■「リカ」
出会い系サイトで知り合った女性につきまとわれる話。



本間隆雄、42歳。
妻と小学生の娘と暮らす印刷会社のサラリーマン。
生活に不満はないが安定した生活に退屈して
出会い系サイトに登録。

そこで出会ったのが看護師をしているというリカ。
控えめで世慣れていない感じのリカに魅かれて、
本間は実際に会うために自分の携帯番号を教える。

そこからリカの態度が変わっていく。
昼夜を問わず電話がかかってくる。
出なければ30分おきに伝言が残され、
出れば「私の電話になぜ出ない」と怒り狂う。

いきなりストーカー化したリカに嫌気がさして、
本間は連絡を絶とうとするが、
リカは携帯番号から本間の家を突き止め、そして・・・

ネットストーカーのサイコサスペンスかと思ったら、
途中からは完全にモンスターホラーになってました。
ストーカータイプの人間とは、正常な会話が成り立たないところが怖いんだけど、
リカはその上、いろいろな能力まであるから恐怖なんですよ。
まず医学知識がある。超人的身体能力がある。
もうターミネーターがストーカーになったようなもので、これは怖い(((;゚д゚;)))

幼児でもないのに一人称が自分の名前という女性はリスキーなんですよ。

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■「リターン」

「リカ」から10年後。
本間隆雄の死体が見つかるところからはじまり、
また新たな事件に発展していきます。

「リカ」のラストから想像して、もっとバイオレンスな内容かと思ったら、
意外にも地道な捜査中心の刑事ものでした。
ただやっぱり残酷シーン、気持ちが悪い描写はありますが。

恐ろしいのは最後の方の尚美のセリフ。
「どうしてもっと早くわたしを見つけてくれなかったの」
これはゾクっとしたんですが、もしかしてリカ?・・・

「ただしさん」
も怖いですよね。
リカなの~??

「自分にとって都合の悪いことは事実であっても認めない。
自分にとって都合がいいように現実をねじ曲げる。
そして嘘で固められた歪んだ事実だけについて語る。」
リカの性格描写だけど、とってもリアイル。
作者はこういう人物に悩まされたことがあるのでしょうか?
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「渚にて」 ネビル・シュート

あまりに有名な作品ですが、新訳版を読んでみました。
どこが変わっているのかよくわからなかったですが、さすがに名作です。

1964年、核戦争によって北半球は汚染されて人類は絶滅状態。
南下してくる放射能汚染を止める手段はなく、
オーストラリアでは人々が最後の日を迎えようとしていた。

パニックものではなくて、終わりの見えている日々を人はどう過ごすのかという静かな滅亡の物語。

焼け果てて廃墟になった街ではなく、
花が咲き木々が揺れ、街の風景は変わらないのに、
人だけがいないという描写がリアルで恐ろしい。

でも人類を滅亡させた核戦争が稚拙な対応と勘違いから起こったということが、一番リアルで怖いことかもしれません。

ただ小説の方はあくまでSFで、
映画で描かれていたような最後の日に向かう儚い日常の悲壮感はあまり感じられなかったですね。



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「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン

その場限りの会話。
はじめて会う人で、2度と会うこともないだろう人に、
つい本音を話してしまうことってありますよね。
まして酔っていればなおさら。

実業家のテッドはヒースロー空港のバーで、リリーという女性に声をかけられる。
搭乗待ちの時間つぶしの会話の中で、テッドは自分が抱えている悩みを話す。
それは浮気した妻のミランダを殺したいほど憎んでいること。

2度と会うことはない相手との雑談のつもりだったが
リリーはテッドの代わりに自分がミランダを殺すと提案。
再会の約束をして別れる。
誰かを殺したいと思っても実際に殺人まで行くことはまずない。
でもテッドは不思議な魅力を持つリリーに惹かれて約束の場所へ向かってしまう。

メインの登場人物はテッドと妻のミランダ、
ミランダの浮気相手のブラッド、そしてリリー。
4人が4人とも何かを企んでいるようで、さらに誰と誰が組んでいるのかわからない。
ミランダを殺すのは誰か? ミランダは殺されてしまうのか?

ただ、原題は「The Kind Worth Killing」で、実はミランダはあまり関係ない。
物語の半分はリリーの話で、
リリーは罪を犯した人間は殺されて当然だという考えを持って、
それを実行してしまう。

リリーがそんな恐ろしい考え方をするようになってしまったことには理由があって、
それはとても悲しいことなんだけど、そのために犯罪を犯しているという自覚がない。
もう少し計画性があれば…、なんて言ってはいけないんですけどね。



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