kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「子守唄」 カーリン・イェルハルドセン

いよいよショーべり警部シリーズの3作目。
「お菓子の家」「パパ ママ あたし」に続く3部作の完結編。

1つ1つの作品で主に語られる事件はまったく別のものだけど、
刑事たちの抱える事件やトラブルは、この作品で一応解決。



第1作「お菓子の家」は特別に斬新な仕掛けがあるわけではないけれど、
よく練られた悲しい事件の物語。

2作目の「パパ ママ あたし」は、謎というより歪んだ事件そのものを描いた
ある意味、告発のような小説。

この「子守唄」は子供を取り巻く大人たちの心の課題で、
前2作より、重く辛い話です。

被害者、加害者、そしてショーべり警部の過去の謎が
少しづつ明らかになっていくという、私としては好きなタイプの小説。

きっかけとなる事件は、母子3人の惨殺事件。
結婚して移民としてスウェーデンに定住したフィリピン出身の女性と幼い二人の子供。
彼女は離婚後に収入とは不相応の高級マンションに引っ越し、
そこで子供と共に無残に殺される。

警察は当然彼女の裏の生活を想像したが、
捜査の結果は、堅実に働く平凡な生活の証拠しか出て来なかった。

動機が分からない殺人。

実はこの事件は結果であって、その前に何人かの被害者がいるのですが、
彼らが巻き込まれてしまった事件の重さと、
その代償の大きさが救いようがなくて、鬱々とした気分になってしまいます。

北欧のミステリーや映画を見ていて感じるのは、
何かの問題を、精神の内側に内側に掘り下げて行ってしまう怖さですね。
自ら傷を深くしていくような心の動きはひたすら重い。
ちょっと突き放して読まないときついです(^_^;)

そして刑事さんたちのイメージも変わりました。
ショーべり警部~~!!

1作目では有能で責任感があり、部下と家族思いの警察官で、
まさに警察シリーズものの主人公という感じでした。

それなのに、あれはなに??
家族を裏切る行動にどれだけの理由があるかと思ったら、
それだけ?
たしかに本人には深い傷なのかもしれないけど、
なんか自己欺瞞と自己弁護のこじつけのような気がしてしまった(-_-;)

逆に、母親には同情しました。
決して現実に向き合わないショーべり警部の母親は、
かなりのイライラキャラだったけど、抱えていた秘密は重かった。
まあ、ああいう態度になるのも仕方ないかもしれません。

ペドラもちょっと極端よね。
短絡的というか、一応刑事なら身近なことでも慎重な判断をしてほしかった。
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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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