kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「ユダの窓」カーター・ディクスン

密室トリックばかりが取りざたされる作品ですが、
内容は意外にも正統派の法廷ミステリー。
そしてさらに意外にもH・M卿が本職で見事な仕事ぶりを見せてます!



事件の概要はプロローグの14ページで説明されることのみ。

・ジェームズ・アンズウェルは恋人の父親ヒュームに電話をして、
結婚の承諾を得るためにヒューム邸を訪ねる約束をする。
アンズウェルは由緒ある家系の出身で資産家。
当然、ヒュームも娘の結婚に反対する理由はなく、快く招待。

・ところが翌日、アンズウェルがヒューム邸を訪ねると父親の態度は一変。
敵対心剥きだしでアンズウェルを糾弾する。
わずか1日の間にどのような状況の変化があったのか?

・なんの心当たりもなく当惑するアンズウェル。
ヒュームに勧められるままにウイスキーを飲み意識を失う。
気が付いたときには部屋のなかでヒュームが死んでいて密室状態だった。

・アンズウェルは逮捕されて裁判が始まる。

この苦境からアンズウェルを救えるのか?

そこで登場するのが被告を弁護するH・M卿。

単純だと思われていた事件にこんなに関係者がいたのかと、
驚くほど次々に出て来る証人。
彼らの証言から隠されていた事柄が徐々に明らかになる。

それにしてもヒューム氏や関係者は、いろいろ胡散臭いことが多すぎる。
このあたりの緊張感と、それを台無しにするH・M卿の発言が絶妙。

基本的なところで難点もありますが、裁判の過程は面白いです。

以下【】内はネタバレなので反転してください。


そもそも事件のきっかけになった「キャプテン」と「キャプロン」の聞き間違いってあり得るのかな?
かりに聞き違えたとしてもアンズウェルという姓が同じなんだから
もう1度確認すればいいのに。
だいたい相手の態度でもおかしいと思うはずじゃないのかな。
ちょっと短絡的ですね。

もうひとつ、
そんなに都合よく鍵穴を覗きこむものなのかと納得できなかったけど、
その後に読んだ海外ミステリー3作品で、登場人物がみんな鍵穴から
覗いていたので、鍵穴付ドア文化圏では日常の風景と知りました(笑)。


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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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