kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「スリー・パインズ村の無慈悲な春」 ルイーズ ペニー

スリー・パインズ村シリーズの3作目。
平和で美しい村で起こる3件目の殺人事件。

癒しを求めて村に来ると、なぜか殺されてしまう…
本当に平和な村のか?という疑問は置いておいて(笑)、
今回はオカルトテイストな1編。

スリー・パインズ村の無慈悲な春 (RHブックス・プラス)スリー・パインズ村の無慈悲な春 (RHブックス・プラス)
(2011/05/11)
ルイーズ ペニー

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村で唯一の宿B&Bに滞在する女性が霊媒師と知ったガブリは、
彼女を招いて降霊会を開くことを計画する。
場所は、あの旧ハドリー邸。

朽ち果てた古い屋敷、暗く湿った女主人の寝室、
蝋燭の明かりで照らされた空間で、死者を呼び出す儀式が始まる。
降霊者の言葉に呼び寄せられるようにドアの外で足音が聞こえた時、
一人の女性がショックで倒れた。

まあ、そんなに都合よくショックを起こすだろうかという疑問はありますが、
今回の謎は殺害方法よりも動機探しがメインなので、そのあたりはスルー。

2作目で殺されたのは誰からも嫌われている女性がだったから、
容疑者にも事欠かなかったけれど、
この作品で殺されたのは誰からも愛される太陽のような女性。
そんな女性を殺さなければならない理由はなんなのか?

この辺に人の心の闇があらわれています。
魔術よりも恐ろしいのは人の心。
作中に引用されているフレーズがやりきれない
「ほかの人間の目を通して幸せをのぞいてみるのはどんなにかつらいことだろう」
(「お気に召すまま」)

この心の闇は、実は作中のもう1つの謎解きにもつながっています。
それはアルノー事件の報復としてガマシュを破滅させようとする陰謀の正体。

この二つのストーリーが並行して語られるので、
ちょっとややこしい内容になっているんですけどね。

むしろ警察内の闘争がメインになっているとも言えるかも。
殺人事件そのものは、わりと平凡かもしれません。
それでも人物描写やミスリードはうまいですが。

最後の謎解き部分は、事件のあった部屋に関係者全員を集めて説明するガマシュ。
古き良き探偵小説みたいで、こういうちょっとした趣向も面白いですね。

そうそう、直接謎解きとは関係ないけど、
ある人物に関するどんでんがえしが、個人的にすっきりしました!

そして3作読んで思うこと。
この作家さんの考え方や人生観・社会観は本当に共感できる。
こんなに同じことを考えてる人がいることが不思議なくらいです。

原題は「THE CRUELLEST MONTH」
これも複数の意味を持たせた絶妙なタイトル。


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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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