kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「三本の緑の小壜」 D・M・ディヴァイン

ディヴァインの新訳です。
1972年刊行。
発表順では13作中の11作目ということで、ちょっと趣向が変わっています。

でもディヴァインの作風って、どんなものなんでしょうね。
作品ごとに様式も雰囲気も手法も変わるから、
これがディヴァインというものはないような気がしますが…
特徴というなら、明確な探偵役がいないというところかな(笑)

三本の緑の小壜 (創元推理文庫)三本の緑の小壜 (創元推理文庫)
(2011/10/28)
D・M・ディヴァイン

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英国北部の小さな町で同級生の少女が次々に殺害される事件が起こる。
一人の容疑者が浮かぶが、その人物も謎の死を遂げ、
そしてまた次の少女が犠牲になった。

13歳の少女が連続して殺される事件というと変質的な犯罪を考えるけど、
そういうサイコ系とはちょっと違います。

なんとなくゴシックドラマ風な雰囲気。
ヒロイン(と言っていいのか)のマンディのキャラクターが、
そう感じさせるのかもしれませんが。

小説の構成は複雑で、登場人物3人の視点で描かれる章が交互に並べられて
その間に被害者のモノローグが挟み込まれています。

その3人の視点と被害者の行動の矛盾を見つけることが推理の元になるけど、
推理自体は、それほど難しいことではないかもしれません。
容疑者はかなり絞られているので、勘でもわかる(^^;)

でも、あいかわらず誰が探偵役なのかわからないんですよね。
一応警察も捜査するけど、やっぱり役に立たない。
だから、みんなが探偵状態で筋道だてた捜査ではなくて私論ばかりの混乱になってます(^^;)

でもそれはまた、読者の目をある人物から逸らせるという意味もあるんでしょうけど。
純粋な推理小説というより人間ドラマとしても読める作品です。

ディヴァイン52歳の作品ですが、ちょうど同年代の娘がいたらしい。
だから13歳の少女の心理を活き活きと描いているのだろうけど、
作家の父を持つと、ここまで深く観察されてしまうから大変だ。

ところで、タイトルの「三本の緑の小瓶」はどういう意味かと思ったら
イギリスには「ten green bottles」という数え歌があるらしいので、
そこから引用されているみたいですね。
数え歌・・・、とても深い意味がありそうです。

Ten green bottles hanging on the wall
and if one green bottole
should accidentally fall
There will be nine green bottles


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「三つの秘文字」 S・J・ボルトン

私の好みではなかった。
上巻は面白かったんですけど、下巻になったら予想外の展開になってました。

バイキングの伝説が残る島で、その伝説に模した死体が発見される。
閉鎖的な島で起こる連続殺人という導入部は伝奇ミステリーみたいで引き込まれたのですが。

三つの秘文字 上 (創元推理文庫)三つの秘文字 上 (創元推理文庫)
(2011/09/21)
S・J・ボルトン

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事件が起こるのはスコットランドの北東に位置するシェトランド諸島。
どこなんだろう?と思ったら、シェルティの生まれ故郷なんだそうです。
検索して写真を見てみたら、いかにも北海に浮かぶ島という荒涼とした風景で、
小説のイメージがなんとなくわかりました。

ヒロインは夫と共に夫の生まれ故郷であるシェトランド島に移り住んだ産科医トーラ。
トーラは新しい自宅の庭で、地中に埋められた女性の死体を見つける。
その女性は心臓が抉り出され、背中に古代文字が掘り込まれていた。
謎めいた死体を見たトーラは真相を知りたいと願うが、
警察をはじめ関係者はなぜか揃って事件をもみ消そうとする。

トーラの上司から事件を捜査する警官までが夫の幼なじみという狭い社会。
その中で余所者である彼女だけが事件の矛盾を指摘するが、
もちろん取り合ってもらえない。

同じく本島から来た余所者である女性警察官デーナと極秘に捜査をはじめるが、
今度はトーラとデーナも狙われる。
(しかし名前がみんな似ててわかりにくい^^;)

上巻は山奥の古い因習の残る村で起こる連続殺人のような緊張感があるのだけれど、
下巻になると物語は意外な方向へ進んで、アクションシーンが連続。
古典ミステリーと現代ミステリーが混ざったような小説でした。

ヒロインが医師とはいえ、医学的描写をあんなに細かく書き込まなくてもいいのに、と
残酷描写が苦手な私は思いましたが、それも今風なんですね。
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