kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」 アントニイ・バークリー

途中までの展開があまりに軽いので、すっ飛ばしそうになってしまった・・・

饒舌なロジャーと頭を使わないアントニイ(笑)、現実派のモーズビー警部の
絶妙な会話で、軽いミステリーと見せて、複雑な仕掛けのある作品でした。

ロジャー・シェリンガムと従弟のアントニイはクーリア紙の依頼を受けて、
ヴェイン夫人の転落事件を取材に出かける。
そこにはすでにモーズビー警部が乗り込んできて捜査を始めていた。



推理小説・探偵小説の誕生から、大まかに言って100年くらいの年月が経っている。
その間、現在まで様々トリックや仕掛けが生み出されてきた。

発表当時は斬新なアイデアも、その後、模倣され応用され、量産されて、
ありふれた様式・型となって定着してしまう。

この小説を出版当時に読んだとしたら、衝撃を受けたかもしれないけど、
いろいろなミステリーを読んだあとでは、もう驚かないですね。

前作の「ウィッチフォード毒殺事件」で、犯罪ドキュメンタリーを見て推理してる視聴者のようと書いてしまったけど、それを高度に発展させた作品。

続きはネタバレ

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「こわされた少年」 D.M.ディヴァイン

1965年発表の作品。

天才的な頭脳を持つ優秀な少年アランはある出来事がきっかけで性格が変わり、
不良仲間と付き合うようになる。

そしてある夜、家を出たまま行方不明になる。
アランを溺愛していた母親は失踪が信じられず、警察に捜査を依頼するが、
アランによく似た少年が町を出るところが目撃されていた。

またアランの身辺を調べるうちに、彼が大金を手にしていたことがわかり、
その大金の出所は悪い仲間たちも知らない、彼だけの秘密であった。

失踪した人間の過去を探る話はミステリーの1つのパターンでもある。
事件が起こってはじめて、ふつうに暮らしていた人物の隠されていた過去、
日常とは別の顔が現れたりする。

それが少年となると、自ら求めた結果ではないところが悲劇的ですね。

こわされた少年 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)

続きはネタバレで

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「5番目のコード」 D.M.ディヴァイン

『ディヴァインを発見したときの喜び、ディヴァインを読んだあとの驚きは、いまもって忘れることが出来ない。
それは少年時代にあった、なにかとっても懐かしいものと久しぶりに再会することができた、とでもいうような新鮮な感動だった。』

これは、この本のあとがきで森英俊さんが書かれている一文ですが、
まったく同感。私も同じようなことを感じました。
まさにヴァンダインやカー、クイーンに出会った時の喜びが復活した感覚。

五番目のコード (現代教養文庫)五番目のコード (現代教養文庫)
(1994/09)
D・M ディヴァイン

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で、この作品ですが、小さな町で起こる連続殺人。
一見、無差別連続殺人に見えて、被害者は狭い範囲から選ばれているので、
全員がどこかでつながっているという関係。
それなので、共通項探しというよりは、犯人探しです。

冒頭は犯人の手記から始まります。
「8人が私の手にかかって死ぬだろう」と不気味な予告。
そして深夜、人けのない場所で女性が襲われる事件が起こる。
その傍には棺を描いたカードが落ちていた。

そのカードは葬儀で棺を運ぶ時に、どの持ち手の持つのかを示すために
葬儀社が参列者に配るもので、コードというのは、その持ち手のことだそうです。
そして一般的に棺には8つの持ち手が付いているということで。

事件を調査するのは、落ちこぼれ新聞記者のジェレミー・ビールド。
彼自身も被害者たちとつながりがあったことから、
重要容疑者として警察にマークされる。
そこで自分の容疑を晴らすために犯人を探すわけだけど、
ディヴァインの主人公は、どうも情けないタイプが多いような気がする(笑)

あとがきに、これだけのレベルの高い作品を生み出しながら、
人気が出なかったのは魅力的なシリーズ探偵がいなかったからではないかと書かれてるけど、この、すねて人生を投げ出すような主人公のキャラクターにも問題がありそう…

でも探偵役以外のキャラクター作りは上手いんですよね。
どの作品でも裏を読もうとすればするほど、全員が犯人に思えてくる。
ミステリー好きの裏をかく(裏の裏の裏くらい?)伏線が見事だと思いますね。

この結末は意外なのか、そうでないのか、読む人によって違うかも。

続きはネタバレしています。反転させて読んでください。

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「ウィッチフォード毒殺事件」 アントニイ・バークリー

これは残念ながら苦手なパターンでした。

イギリスで現実に起こった毒殺事件を元にしたミステリーということだけど、
そもそも元になったその事件を知らないというハンデがある。
なので、小説の最初から時系列に沿った事件の説明もなく、どうしても情報が少ない。

それなのにロジャーはじめ、登場人物たちは盛り上がっているので、
まったく物語に入り込めない。

新聞でウィッチフォードで起こった毒殺事件を知ったロジャーが、
アレックを伴って現地に入り、そこで令嬢と3人で事件を調べるのだけれど、
今回は事件に何の関係もない第3者なので、もちろん被疑者に会うことも出来ないし
警察の捜査の状況もわからない。
完全に事件の外側から調査をするだけです。

なんとなく犯罪ドキュメンタリーを見て、あれこれ推理する視聴者のような・・・
まあ、でも最後は見事な解決があります。



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