kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「悪人」 吉田修一

事件報道の裏にあるものを想像させるストーリー。



若い女性が出会い系サイトで知り合った男性に会いに行ったまま姿を消し、
翌日、遺体となって発見された。

最近よくある事件の概要と同じ。
どんな文章で伝えられるのか、コメンテーターと言われる人たちが
どんな言葉で批判するのか、簡単に想像できる事件。

でも1つの事件が起こるまでには、その時までそれぞれふつうに生きてた人の、
ふつうだと思われていた人生があるんですよね。
ここに登場する若者たちも、自己中心的であったり社会性がなかったり、
多少の問題は持っているけど、極端に悪い人間でもない。

でもある日、なにかがちょっと変わる。そこでつまずくか逃れるか。
もし、その陥穽を乗り越えれば、彼らもまたふつうの人生に戻っていったことでしょう。

悪人が事件を起こすのではなくて、事件を起こした人間が悪人とされるということかな。
悪いことばっかりしてるのに、不思議と事件に関わらないで、
平穏な晩年を過ごす人もいますからね。

平穏な日が明日も続くかどうかは、ちょっとした差。
人間は紙一重のところで生きてるのかもしれないと思わせるところが怖いです。

なぜか映画の「太陽がいっぱい」を思い出しました。



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お手数かけますが、よろしくお願いします。

浦島伝説キティ
乙姫キティ


  1. 日記
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「絹の変容」 篠田節子

絹の変容というよりは「蚕」の変容なので、
ちょっと気持ち悪い描写がありますが面白かったです。



八王子の繊維メーカーの2代目社長である長谷康貴は土蔵の内部から虹色に輝く絹布を発見する。この虹色の絹織物を自社復興の切り札にしようともくろむ康貴は、天才的技術者と組んで密かに研究を始める。
しかし康貴にはひとつ不安があった。それは、これほど美しい絹織物が、なぜ土蔵の奥にひっそりと隠すように保存されていたかということ。この絹には、なにか問題があるのだろうか?
-------------------------------------

あらすじから想像する通りにストーリーは進みます。
つまり、変異した蚕が街にパニックが起こしていくわけですが、
被害が出てからラストまでが短いことが、なにかもったいない気がしました。
あっさり終わってしまうんですよね。
被害者が出るのも早すぎるのではないかと。
自然の変化や被害と絹織物の関係がなかなか結びつかず、
その間に被害はさらに深刻になっていく・・・というような
崩壊のプロセスをゆっくり楽しみたかったですね

余談ですが「康貴」って変換できる名前なんですね。

続きはネタバレ
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「サイン会はいかが」

成風堂シリーズ3作目。
2作目は長編ということでパスして3作目を読みました。
やはり1作目に比べると無理やりなところが目立つような気がしますね。
一番感じたのは、「もっと言葉を使おう。言葉で伝えよう」ということかな。



このシリーズを読んで感じたことは、私は小説を読むことは好きだけど(ノンフィクションでもなんでも)
「本」そのものにはあまり興味がないのかもしれないということ(^―^;)
作家さん個人にもまったく興味ないしね(笑)

「取り寄せトラップ」
同じ本の取り寄せを4人の人物が依頼していたが、
入荷の案内を連絡すると、全員が依頼した覚えがないと断ってきた。

いかにもミステリー的な謎の提示。事件もミステリー的。
でも、もっと正当な解決方法を選んだ方がいいのではないかと思います。

取り寄せといえば町の本屋では、ほとんど頼んだ本が届かない。
その後、某書店の店長さんが、「どうせ取りに来ないから放っておけばいいよ」と
言っているのを聞いて届かないわけを納得。
今はネットがあるから便利になりました。ネット書店にも不満は多々ありますが・・・

「バイト金森くんの告白」
ふたりとも不器用と言ってしまえばそれまでだけど、
こういう自分の視点でしか物事を見られない人が増えたよね。
ちゃんと言葉も添えようね。

「サイン会はいかが?」
う~ん、この作家も友人も、どっちもどっちじゃないかと。
友人の方もストーカーまがいのことなんかしてないで、
ネットで反論して、作家の推理を論破してしまえばいいのにね。

「ヤギさんの忘れもの」
これはかわいいお話。解決したらちょっと笑ってしまった。


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「配達赤ずきん」 大崎梢

先日読んだ「片耳うさぎ」の大崎梢さんのデビュー作。
駅ビルの書店を舞台に、そこで起こる不思議な出来事を
書店員たちが解いていく日常の謎シリーズ。



謎解きはちょっと無理やりかなと思ってしまったので、
それより書店の内部事情が面白かったですね。
昔、母が雑誌類を書店から定期購読してたけど、今でも配達ってあるんですね。
大型書店だけがやってるのかな。

タイトルも昭和テイストだけど、内容もそんな感じでした。
かなり勘が鈍い杏子さんと、謎が解けてても独りで納得してもったいぶる多絵ちゃんが
ちょうどホームズとワトソンみたいで、その他の登場人物も含めて昭和の雰囲気です。

まあ、勘が鈍いのはワトソン役の宿命みたいなものだし、
だから現代ミステリーでは登場しなくなったんだと思うけど、
やっぱりあまりに鈍いとそこで話が止まるし、ちょっと不満に感じてしまいますね。

面白かったのは表題作の「配達あかずきん」、正統派の謎解きですね。

「六冊目のメッセージ」も素敵な話だったけど、人に本を薦めるのは難しいですよね・・・

「ディスプレイ・リプレイ」いかにも現代的な話だけど、
逆に真相も漏れそうな気がしますが。

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「透明な一日」 北川歩実

ずいぶん前に「猿の証言」を読んで、なんとなく読みにくい作家さんだと思った記憶が
あるけど、やっぱり読みにくかった。
ではなぜ読んだのかというと、例によって「どんでん返しが見事」というコピーに釣られたから(笑)



記憶が再生できず永遠に同じ一日を繰り返す父親、
娘の成長も父親の記憶の中では12歳で止まったまま。
そんな娘が婚約者を連れて父の元にあいさつにやってくる。

実は、娘とその婚約者は過去のある事件の被害者という共通点があった。
ふたりとも一連の放火事件で母親を亡くしていた。
そのふたりが結びついたことが、あらたな連続殺人に発展する。

女性の登場人物が性格的にきつい人間ばかりで、そこでつまずいてしまいました。
でも、伏線も充分だしトリックも意外。
この世界になじめる人には面白いかもしれません。 

続きはネタバレです。

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