kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「玻璃の天(はりのてん) 」 北村 薫

社長令嬢・花村英子と、お抱え運転手ベッキーさんのシリーズの2作目。



これは面白かった。
本に関する様々なエピソードは、本好きにはたまりません~
もちろん探偵小説好きにも興味深い内容。
今回は「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の3作を収録。

前作からは1~2年経っているようですね。
ロス五輪は昭和7年で、教文館ビル完成が昭和8年、
「玻璃の天」には「ベッキーさんと過ごした2年近い日々」とあるので、
花村英子嬢も17歳くらいになっているということかな。
そのせいか、恋にまつわる話が多くなってます。

「幻の橋」
これは昭和8年のロミオとジュリエット。

内堀百合江と内堀東一郎は祖父が兄弟という、いわゆる再従兄妹。
しかし、その両祖父は犬猿の仲で一族は対立している。
そんな二人が恋に落ちて、解決策を相談される英子。
例によって答えを出したのはベッキーさんなんだけど、
あいかわらず深い人間洞察で、見事な解決策を提案する。
途中まで成功していたその策も、最後に思わぬ妨害が入る。

事件の真相には旧家の"おり"のようなものが澱んでいます。

しかし、荒熊のような明文化されてない言論統制はおそろしいですね。

「想夫恋」
これは本や映画の話が楽しい1編。
ちょっと前の学生なら(だいぶ前?^^;)「秘密の儀式」なんて、
懐かしい方もいるんじゃないでしょうか。

「特徴のある挿絵」のある本も、「玻璃の天」に出てくる"たはぶれ書き"も、
"蛍"と"雁"の本も、どれも特別に好きな本ばかり。
読みながら私まで女学生時代に戻ったような気分になりました。
ちなみにこの3冊は、あまりに面白くて原文まで読んだ本(^o^)

さて肝心の事件は華族のお姫様の駆け落ち事件。
お嬢様は暗号が好き(^^)

「玻璃の天」
これはなんと、お屋敷もの。
意外性があって面白い。すっきりしないけど、すっきり。

ベッキーさんの謎も少しづつ解けてきます。
まだまだ謎の部分も多いですが・・・
ベッキーさんと花村社長との関係とか、桐原侯爵の息子とのこととかね。

このシリーズ3作で完結予定だそうですが、もっと読みたいですね。

1作目の「街の灯」感想はこちら

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「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」 矢崎存美

ぶたぶたさんの新作です。
今回のぶたぶたさんは会員制喫茶店のパティシエ。
新作デザートを作りながら、秘密のアップルパイを焼いてます。

そして喫茶店にやってくるお客さんの秘密にも関わる。
このシリーズ、一時期つらい話が多かったけど、今回はわりとあっさりしてるかな。
ちょっとだけ怖いところもあるけど。



コーヒーとアップルパイの組み合わせは最強(^o^)

アップルパイって、不思議な魅力がありますよね。
単なるお菓子ではない。
はじめてのお店でもアップルパイがあると、つい注文してしまう。
私は生地があまり堅くなくて、りんごは堅めでシナモンが利いたのが好き。
でも、ぶたぶたさんのアップルパイにはシナモンは入ってないそうです。

コーヒーを煎れる、ぶたぶたさんがかわいい♪

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「街の灯」  北村薫

元士族の社長令嬢・花村英子と、お抱え運転手・通称ベッキーさんのコンビが、
日常の謎から殺人事件までを解き明かす連作ミステリーシリーズ。その1作目。
中編3作を収録。
いかにも北村作品という雰囲気を持ったシリーズです。



2003年1月に発行された本なのですが、読むのははじめて。
今回、シリーズ第2作「玻璃の天」が出たので、
1作目から読み始めることにしました。

時代は昭和7年、士族出身で社長令嬢でもある花村英子は女子学習院に通う
女学生。学友には侯爵や伯爵の令嬢がいる。
お嬢様が外出する時は専属運転手とお付きの女中が付き添うような世界だから、
想像もつかないというより宝塚の舞台を見るような感じ。
でも中身は正統派の謎解きなので、男性でもひくことはありません(笑)

「虚栄の市」
サッカレーの小説はタイトルを聞いたことがあるくらいなので
この本でやっとあらすじだけでも知りました(^^;)
こういうストーリーなんですね。
これをシリーズの第1作目のタイトルにしたということは、やはり伏線なのかな。

扱われる事件は自ら掘った穴の中で死んでいた男の謎。
とても上流社会のお嬢様が関わる事件とは思えないけど、
このお嬢様は乱歩も読むような女性なので、あの「名作」も絡んできたりして、
最後はニヤリとする謎解き。

「銀座八丁」
これは暗号もの。ただし何かの事件ではなくて学生の暗号遊び。
ベッキーさんの新たな一面が明らかになることで、
彼女の謎がますます深まります。

「街の灯」
タイトルはもちろんチャップリンの名作。
何気ない冒頭のエピソードから幾重にも伏線が絡み合う、これは見事なパズル。

財閥の御曹司が軽井沢の別荘で自作映画の映写会を行っていたが、
それを見ていた家庭教師が急死する。
侯爵令嬢が同席していたことも慮って、その場は穏便に片付けられたが、
やはり招かれて映写会にいた英子は、のちにいくつかのおかしな点に気付く。

何不自由ない立場でも、身分が付けば責任や義務も生じてくる。
それなりの苦悩はあるのかもしれませんね。

時代背景と身分差ということで連想するのは宮部みゆきの「蒲生邸事件」。
そして北村さんはご存じなかったという「はいからさんが通る」も思い出しました。

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