kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「空白の叫び」 貫井徳郎

主人公は14歳の3人の少年。
生活環境がまったく違う3人の共通点は殺人犯であること。

上巻では3人の少年の生い立ちや事件に至る経緯、
事件後のことなどが丁寧に描かれてます。
ただ少年院の中の描写は長いような気がして、ちょっと飛ばし読み。

下巻になると、社会に戻った少年たちのまわりが一気に動いて、面白くなります。
私の好みから言うと、下巻だけでよかったと思ってしまったけど、
それでは犯人の視点、犯人の置かれた状況を描いたことにならないんだろうね。



少年たちの内面は、幼児性から成長できない孤独そのもの。

小さな子供は自分の心理状態を言葉で表現する能力はないけれど、
もし3~5歳くらいの子供が心で思ってることを言葉にしたら、
こういう表現になるのではないかと思えてしまう。

とにかくなにがなんでも自分の感情が絶対的に中心。
まわりへの配慮は欠片すらない。
そして気に入らないものは排除。欲しいものは、もぎ取る。

葛城の事件は、お気に入りのおもちゃを取られて癇癪起こした子供そのもの。
幼児なら相手を叩いても泣いて終わることが、
14歳の腕力では殺してしまうということ。

そして彼らは最後まで、その幼児性から成長することが出来ない。
自分がいかに幼いかも自覚できない。
3人とも決して頭が悪いわけではない。
なにが原因で精神的成長が妨げられてしまうのか?
それはやはり身近にいる大人が、彼らと正常な人間関係を築けなかったことが
原因としか思えない。

人間の幸福は、ものごころついた時に
まわりにどんな大人がいるかで決まるのかもしれない。


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テーマ : 読んだ本。    ジャンル : 本・雑誌
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