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kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「雨に消えた向日葵」 吉川英梨

以前、未解決事件のドキュメンタリーを見ていた時に
少女が行方不明になっている事件が多くて驚いたのですが、
そのほとんどが未解決のままなのもショックでした。

中には記憶に残っている事件もいくつかあったのですが、
その中の1つ、20年ほど前に旭区で起こった事件を思い出させる小説。

豪雨の中、下校途中の少女が行方不明になる。
事故、事件、連れ去り、様々な可能性が検討されるが、
決め手がないまま3年が過ぎ、家族の生活も変わっていく。

特別な仕掛けや目新しいトリックなどがあるわけではないのですが、
その代わり、今現実に起こっていることのような恐ろしさがありました。
闇サイトで少女の個人情報がやり取りされている話は本当のなのか。
ありそうだから怖い。
それにしても、この少女の周りには怪しい人物が多すぎますね。



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「検事の本懐」 柚月裕子

『最後の証人』が面白かったので同じ佐方貞人シリーズの2作目。
タイトル通り、このころはまだ検事だったんですね。

裁判官や陪審員と争う弁護士と違って、
検事というのは単独で起訴できるから証拠さえ見つかれば話が早い。

でも「事件を起訴する権限を持っているのは、独任制官庁である検事個人です」というのは知らなかった。
すごい権限があるんですね。
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「孤狼の血」 柚月裕子

これはすごい小説!
柚月裕子さんには注目していたんですが、
この作品は暴力団抗争と警察のせめぎ合いということで敬遠していました。
でも読んでみたら傑作。
女性作家ということもあるのでしょう、かなり美化された抗争事件ではありますが、
古き良き東映映画の世界かな。

舞台は昭和末期の広島。
「違法捜査と服務規律違反のオンパレード」の呉原署暴力団係班長・大上省吾と、コンビを組む新人刑事・日岡秀一が暴力団抗争を防ぐために裏で表で動き出す・・・



読みながら思い出したのは戦国時代の物語。
歴史小説には大上刑事のような人物がよく出てくるし、
こういう男を描こうとしたら歴史小説にするかアウトロー小説にするかしかないんでしょうね。

あるいは戦争もの。
NHKBSで放送してた「伝説の晩餐会(ディナー)へようこそ」。
東西冷戦の終結に至るブッシュとゴルバチョフの会談も組長同士の手打ちに見えてしまいました(^_^;)

そういえば広島駅新幹線ホーム銃撃事件の翌日だかに広島に行って、
ホームに降りるときにちょっとビビりましたっけ。
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『最後の証人』  柚月裕子

交通事故で小学生の息子を殺された夫婦が加害者に復讐する話です。

飲酒運転のうえに信号無視をして道路横断中の少年を轢き殺した犯人は
己の地位と権力を悪用して不起訴になる。
怒った両親は犯人に罠を仕掛けて、ある事件の容疑者として法廷に引きずり出した。

ストレートな復讐小説かと思ったら、裁判の被告がひき逃げされた子供の母親でびっくり。
自分が被告になってどうするの?
それが復讐になるのか?と疑問を感じていたんですが、
最後の佐方の言葉、「いい計画だった」で、すべてが明らかになりました。
犯した罪で裁きたいという両親の願いが叶ったってことですね。



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「慈雨」 柚月裕子

ジャンルとしては警察官小説なんでしょうが、
私には、お遍路小説としての方が印象的でした。
四国巡礼は自分の人生を振り返る旅なんですね。



刑事を定年退職した神場智則は妻と共に四国八十八か所歩き遍路の旅に出た。
それは現職中に起こった幼女の誘拐殺人事件についての悔恨からだったのだが、
その旅の最中に、またも幼女の誘拐事件が起こる。
その事件は神場が巡礼に出るきっかけとなった16年前の事件と手口が類似。
神場は旅と続けながら後輩の刑事と連絡を取り、事件の解決に協力する。

もとになったのは北関東幼女誘拐殺人事件ですね。
北関東幼女連続誘拐殺人事件については『殺人犯はそこにいる』(清水潔)のルポがあります。


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「犬はどこだ」米澤穂信

タイトルはほのぼのしていますが内容はかなり怖い話です。

インターネット黎明期、個人HPの初期のころの話なので、
ホームページに関するエピソードが懐かしいです。
リンクされてないファイルの探し方や、
隠しリンクの探し方、キャッシュの消し方、
htmlでサイトを作ってた頃を思い出しました。
個人の掲示板にテレホーダイ、あのころはいろいろありました・・・


紺屋長一郎は大学を卒業後、東京で銀行に就職したが、
原因不明のアレルギーが出て退職。
故郷に帰って迷子犬を探す探偵を始めた。
しかし最初の依頼は消息不明の若い女性を探す仕事と、古文書の謎解き。
まったく関係ないと思われた2つの依頼が意外なところでつながっていく。

まずは行方不明の女性の身辺調査。
彼女が個人サイトを持っていて、しかも失踪する直前に削除されていることがわかる。
キャッシュまで削除する徹底的な消し方は、
彼女がネット上のトラブルに巻き込まれていたことを予想させた。

ネットというのは、詳しい人が検索すると
本当にいろいろなことがわかってしまうんですね。
このあたりはチャットで進んでいくんですが、
それがリアルで怖いです。

個人サイトの日記に書かれた何気ない日常の記述から
住所や勤務先を特定していく所は本当に怖かった。
最近は一般の女性も私生活をネットで晒す時代だけど、
書き込まれた日記や写真から家を特定することはそんなに難しくないということは知っていてほしいですね。




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「盤上の向日葵」 柚月 裕子

「勝負の女神ってのはなぁ、余計なことして流れに逆らうと、
そっぽを向くんだよ。勝負ってのはな、そういうもんだ」

ものすごく納得する一言!
サッカーでも野球でも、余計なことして勝負の女神に見放されてた試合をいくつ見たことか。
本当に流れは大事!!




さいたま市の山中で発見された白骨死体は、
胸に将棋の駒を抱いて埋められていた。
その駒が日本に数点しかない名駒だったために、
将棋界と深い関係がある人物であることが推測された。

捜査の結果浮かび上がってきたのは若き天才棋士・上条桂介。
無名のアマチュアから一気に竜昇戦まで上り詰めた天才棋士と、
白骨死体の関係はどこにあるのか?
-----------------------------------------------------------

上条の少年時代の悲惨な生い立ちと、
駒の行方を追いながら彼に迫っていく刑事。
「砂の器」を思い出してしまう展開でした。

最近話題の将棋界ですが、私はほとんど知識がないので、
知らない世界を覗くような感覚で面白かったです。
プロ棋士になるための試練や、賭け将棋の世界、
対局とはどういうものか、そこで勝つということはどういう意味があるのか。
本当に想像以上の厳しい世界なんですね。

それに、ずっ~と先の指し手まで読み込むとか、
感想戦ですべての指し手を振り返るとか、信じられない頭脳ですよね。

ただ社会的には狭い世界なのかもしれません。
上条ほどに社会で成功していれば父親や東明の扱いも、
もっと他の方法があっただろうと思うんですよね。
頭は良くても社会性がない彼の限界だったんでしょうか。
子供のころに人との関わり方を身に付ける機会がなかった悲劇ですね。

将棋を知らなくても読めるとは思いますが
将棋にまったく興味がないと面白くないかもしれません。
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「追想五断章」 米澤穂信

米澤作品は4作目。
以前に読んだ3作は、どれも既存のミステリのパターンに当てはまらない意外性に富んだものだったけど、この作品も期待を裏切らない出来でした。



古書店でアルバイトをしている菅生芳光は、店を訪れた女性客から、ある依頼を受ける。

それは、その女性の父親が書いた5編の小説を探して欲しいというもの。
5編の小説は主に同人誌に投稿されたもので、すべてがリドルストーリー。
そして女性の手元には結末の1文だけが保存されていた。

菅生が、その父親を知る人に話を聞くうちに、
5編の小説は過去のある事件に関係するものだということがわかる。


最近、国内ミステリーを読み始めると眠くなって困っていたのですが、
この本は謎めいた冒頭から引き込まれて、久しぶりに一気読み。

挿入されているリドルストーリーが面白いんですよ。
そして隠されていたラストの1文も、また謎めいている。
この小説にはいったい何が隠されているのかと、最後まで引き込まれました。

余計なエピソードは最小限に押さえられて、
すっきりまとまっているところも読みやすい1冊。

以下はネタバレ感想です。


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