FC2ブログ

kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「日日是好日 お茶が教えてくれた15の幸せ」森下典子

エッセイです。
著者が大学生のころから25年間、茶道のお稽古を通じて身に付いたもの、考えたこと、気が付いたことなどを書き綴ったもの。

私には忘れていたものを思い出させてくれる1冊でした。
日常を大切にすること。
日々の目を変化に向けること。
移ろう季節を味わうこと。
一瞬一瞬の過ぎ去っていく時と向き合うこと・・・

1~4章までは茶道を習い始めた大学生の失敗記録(笑)
いわゆる"形から入る"日本の伝統的な学習方法にとまどい、
頭で考えるのではなくて体が自然に動き始めるまで繰り返し所作を学ぶ。
これは、やってみると難しいと思うわ~

でも五章のお茶会でのおばさんたちの傍若無人には、
爆笑しながらあきれます。
ちょっとお稽古したくらいでは人間の性格は変わらない(笑)

六章の「季節を味わうこと」は最近本当に忘れていたこと。
祖母や母が健在だったころは季節ごとの行事をきちんと行っていたんですよ。
いつの間にか略して略して、やらないことが多くなってしまいました。
季節を表現した和菓子の美しさや、花の色や風の匂い、雨の音。
四季をきちんと感じて暮らすことは豊かさですね。

忙しいと最短で要点や本質にたどり着こうとしてしまうけど、
こまごまとした日々のあれこれを、ゆっくり楽しもうと思いました。



スポンサーサイト



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「新幹線殺人事件」森村誠一

『素敵な日本人』の中の1編から連想して再読。
昭和45年発表だから50年くらい前の作品になるんですね。
文庫版の解説が高木彬光氏というのも時代を感じます。

新大阪を16時45分に出た"ひかり66号"が東京駅に着いた時、
グリーン車の座席で男が刺殺されているのが発見された。
しかし第一の容疑者は新大阪を10分遅れで出る"こだま166号"に乗車していた。
先発した"ひかり"に"こだま"が追いつく方法はあるのか?

ふつうのミステリーなら一件落着するところから
二転三転する展開はさすが!
車内のトリックも、マンションのトリックも見事に盲点をついていて
とても50年近く前の作品とは思えませんでした。

ただ私の個人の的感想としては、動機につながる芸能界の裏話が長くて退屈でした。

sinkansen.jpg

テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「カラスの教科書」 松原始

カラスのイメージが変わる本です。

カラスといえば、
・ゴミをあさって食い散らかす
・集団で人間を威嚇
・女性や子供という弱い者を攻撃
・・・などなど悪役のイメージしかないんですが、
そんな極悪イメージと真逆の表紙がかわいかったので、つい買ってしまいました。

ゴミをあさって散らかすというのも、あくまで人間の都合で見た視点で、
カラスにすれば餌場でしかない。

動物の行動はつねに生きるためのベストの方法を選択する。

たとえば人を襲うのは雛や巣を守る時だけで、
それも充分威嚇した後の最終手段ということらしい。
しかも小心なので後ろから頭のてっぺんを突くくらい
でも人間からすると、急降下してきて突かれるだけでも恐ろしいわけで、
そんな人の都合で嫌われるカラスもいい迷惑かもしれません。

嫌われる一番の原因は真っ黒でデカいのに街中にいることが原因らしいですが、
昼行性なのになぜ黒いのかはわからないそうです。

カラスのためにも人のためにも、
ゴミをきちんと処理するなど、環境を整備することが大事ですね。
テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「夜行観覧車」 湊かなえ

「告白」は途中で放り出した私ですが、これは面白く読みました。

高級住宅地の中の造成で余った狭い一区画に建つ小さな家。
周囲の大きな住宅とは明らかに違うその家では、
中学生の娘と母親の争う大声が毎日のように近所中に響き渡っていた。

しかし実際に事件が起こったのは、その家ではなく向かいの豪邸。
医者の父親と有名校に通う子供たち、
誰もが羨むような家庭で母親が父親を殺すという事件が起こる。

夜行観覧車

夜行観覧車

価格:1,575円(税込、送料別)


キレる子供と持て余す母親。
どっちも相手の方が悪いと思ってるから解決しない。
そして母子の対立の理由を理解できないために関わり方を間違え、
さらに混乱を大きくする父親。

母も子も、相手が自分の言い分を理解してくれないことが理解できない。
「この人は何を言っているんだろう?」という不可解に苛立つばかり。

母親と子供の、粘膜でつながっているようで他人より他人の関係。
しかし他人には決して踏み込めない妙に生物的なつながり。

登場人物の一人の言葉にもあるけれど、
女性にしか書けない小説であって、女性にしか理解できない小説かもしれません。

女性にとって子供と家(家庭という意味ではなく建物自体)は
自分の存在証明みたいなところがあるのかもしれませんね。
だから男性のみなさんは、子供の教育とか、引っ越し・新築問題で
いいかげんな返事をすると、家庭が崩壊するかもしれませんよ・・・


テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「影の地帯」 松本清張

これも清張作品としては異色な存在かもしれませんね。
サスペンス風味で、ちょっと洋画風な展開もあります。

そして、なんといっても珍しいのは物質トリックが重視されているところ。
動機は一応社会派なのですが、読みどころはトリックしかないといっていいくらいです。

信州の静かな湖に投げ込まれる謎めいた木箱。
住宅街に突然建てられた石鹸工場。
人も通わない深い山奥の閉ざされた村。

ひたすら不気味な雰囲気と、たたみかけるサスペンスで夏休みに読むには最適。

事件を追うのはフリーのカメラマン田代利介。
彼は飛行機の中での美女との出会い心惹かれるが、
その美女には無愛想で風采の上がらない中年男性が同行していた。

その男性に反感を持った田代だったが、なんと田代の行きつけのバーに、その男性がやってくる。さらには店のマダムと密談をしているところを見かけるが、その後マダムが姿を消してしまう。

男性の行動に不審を抱いた田代だったが、東京や信州の仕事先でもその男性を見かけるにあたって、男の謎めいた行動を追うことにする。

しかし謎の男に関係する人間が次々に行方不明になり、ついに田代にも危険が及ぶ。

元になる事件の大筋は予想がつくのですが、その事件と田代が遭遇した謎がどうつながるのかは、なかなか予測できなかったですね。

信州の山深い湖が印象的ですが、今はこんなに静かじゃないのが残念。

いろいろ不気味な後味です。


  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「蒼い描点」松本清張

再読ですが、やっぱり面白かった。
被害者の過去を探るうちに、次々に新しい事実が判明していくという、
私の好きなタイプの推理小説。

探偵役は編集者の若いカップル。
くたびれた刑事は出てこないし、あまりリアリティのない女性心理なども含めて、
清張っぽくない作品かもしれません
---------------------------------------------
編集者の椎原典子は担当する女流作家の原稿を取るために箱根へ向う。
そこで偶然、暴露記事専門のフリー記者・田倉に出会う。
田倉が箱根にやってきたのは、どうやら典子が担当する女流作家のスキャンダルに
関係があるらしい。
警戒する典子だったが、翌日、その田倉が崖から墜落して死んでしまう。
そして、その死は田倉の妻という女性の証言で自殺と判定された。

しかし、前日の田倉の行動から、その死に不審を感じた典子は、
同僚の崎野竜夫と共に田倉の過去の謎を追う。

まずは担当する女性作家から話を聞こうとするが、彼女は突然東京へ戻っていて
会えない。しかも彼女の夫が失踪したという。
仕方なくお手伝いの女性に詳しい話を聞こうとするが、その女性も姿を消す。
やがて当の女流作家も失踪し、さらには田倉の妻も行方不明に。
事件の関係者、容疑者が次々と行方をくらまし、ついに誰もいなくなってしまう。


そうなんです。もう1つの趣向は「誰もいなくなった」!

小説の中でも語られています。
「外国の推理小説の題名にあったわね。"そして誰もいなくなった"って」

クローズドサークルではなく、日本全国版の「誰もいなくなった」
それを成り立たせているのが、素人探偵者という設定なんですね。
警察なら全国捜索が出来ますからね。

清張独特の重厚さはあまり感じられませんが、面白い作品です。

テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0

「おそろし 三島屋変調百物語事始」 宮部みゆき

タイトルに百物語とあるとおり、ふしぎ話の連作もの。



怪異もの、情念ものと語られて、最終話の「家鳴り」で一応の解決となります。

聞き手となるのは17歳の娘・おちか。
川崎の旅籠の娘だが、ある事件の当事者となり、自分の心から逃げるしかない生活を送っている。
おちかの叔父である三島屋夫婦は、そんなおちかの心を救うために
同じように心に重荷を持つ人を集めて、話を聞かせることを考えた。

こうして三島屋を訪ねる人々が語る話が1編づつ収められてるわけですが、
怪談という意味での怖い話ではないですね。
人の心の闇、情念や執念の恐ろしさが主になってます。

そういう意味でおそろしい話だと思ったのが「邪恋」と「魔鏡」。

「邪恋」では、主人公とも言えるおちかが関わった事件のあらましが語られ、
「魔鏡」は、ある一家の崩壊の話。
特に「魔鏡」の親が私には怖かったですね。
真面目で堅気のふつうの人の、己でさえ気がつかない邪悪。
それが垣間見えてしまうところがおそろしい。
悪人の悪より善人の悪の方が救われない気がしてしまいます。

最後の解決は、宮部さんらしい優しいラストです。
それがなぜか救いに思えない私は、やっぱりひねくれものなのかな~

そういえば最近読んだ篠田節子の「聖域」。
あの最後で語られる荒涼のほうが私は救われる気がしますね。

本の感想一覧はこちらから
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:1
  3. / コメント:2

「十万分の一の偶然」 松本清張

1980年から81年まで週刊文春に連載されたもの。

いわゆる清張のイメージとは少し違う作品。
80年代に入って、またトリックものが台頭してきた頃でもあるので、
そんな時代の影響もあるのかもしれませんね。

東名高速で起きた大事故を捕らえたアマチュアカメラマンの写真が
新聞社主催のニュース写真大賞を受賞する。
しかし、大事故の直後に、あまりに都合よく現場に居合わせたカメラマンに
疑いを持つものもいた。
その一人、事故の犠牲者の婚約者でもあった沼井正平は
問題のカメラマンである山鹿恭介を追い詰める。

変則的な倒叙物と言えばいいのかな。
ストーリーの流れも速く、緊迫感があるの一気読みしました。

ちょっとネタバレ↓


テーマ : 読んだ本。    ジャンル : 本・雑誌
  1. 国内作家・ま行
  2. / トラックバック:0
  3. / コメント:0


NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>


プロフィール

kigi

  • Author:kigi
  • ◆メールフォームは下にあります。
    ◆TBは承認制です。

    ◆↑画像 by Riepeach(photost.jp

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター

ブロとも申請フォーム

« 2020 09  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

ブログ内検索

月別アーカイブ

09  08  07  06  05  04  03  02  12  10  09  08  06  04  03  02  04  03  02  12  11  10  08  07  06  05  03  02  01  11  10  09  08  07  06  05  02  01  07  06  04  03  02  02  08  07  04  03  01  12  10  09  07  05  03  02  01  12  11  10  09  02  01  12  11  10  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10 

フリーエリア