kigi's Book Diary

本の感想ブログ

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「聖域」 篠田節子

新興宗教を扱った作品ということで、なんとなく敬遠してたんだけど、
宗教というより日本人の死生観を使った作品ですね。


文芸誌の編集者である実藤は退職した同僚が残した荷物を整理するうちに、
その中から未完の原稿を見つける。
確認のため原稿に目を通した実藤は、その重厚な内容に魅入られてしまう。
編集者としての熱意をかき立てられた実藤は、作者を見つけて小説を完成させ、
出版することを考える。
しかし作者の行方は不明で、関係者も関わりにならないことを忠告する。


「聖域」というのは、この未完の小説のタイトルなのだけど、
これが私の苦手なタイプの小説でして、そこでまず挫折しそうになりました(^^;)
「聖域」の主人公である仏教僧の理想とする理念に共感できないんですよね。
むしろ対立するで東北の人々の現実的で厳しい概念の方がわかりやすい。
実藤や三木、篠原のウエットな感情に違和感を感じてしまいました。

神や仏は、あなたの心の中にいる、
あるいは、亡くなった人はあなたの心の中で生きている、
よく言われる言葉ですが、その言葉をどう捉えるか、
それをテーマにした作品なのかな・・・

この結末を虚無と取るか理性と取るか・・・
私には救いに読み取れましたが。

本題とは関係ない話なんですが、この小説の感想を検索したら、
ブログではなくてホームページが多くヒットしました。
文庫化されてからも11年経つ作品なのでそういう結果になったんでしょうが、
簡単に書けるブログと違ってホームページの書評は読み応えがありますね。

続きはネタバレでもないけどテーマに関係することなので隠します。
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「逃避行」 篠田節子

50歳の主婦・妙子が家族を捨てて愛犬ポポと逃げる話。

なぜ逃げなくてはならないかというと、犬が隣家の子供を噛み殺してしまったから。
隣家の不登校児が妙子の家の庭に勝手に入り込んで放されていた犬を虐待。
パニックになった犬がその子を咬み殺してしまう。

刑事責任は免れたが、夫と娘は世間体を考えて殺処分に同意。
納得できない妙子は犬を連れて家を出る。

何度も繰り返される言葉「人は裏切るけど犬は裏切らない」
もうこれがテーマでしょう。
それにしても、この夫と娘はひどい。

ただ妙子も家族に依存しすぎていたところはあるんですよね。
自分の体も人生も自分で責任持たないとね。


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「絹の変容」 篠田節子

絹の変容というよりは「蚕」の変容なので、
ちょっと気持ち悪い描写がありますが面白かったです。



八王子の繊維メーカーの2代目社長である長谷康貴は土蔵の内部から虹色に輝く絹布を発見する。この虹色の絹織物を自社復興の切り札にしようともくろむ康貴は、天才的技術者と組んで密かに研究を始める。
しかし康貴にはひとつ不安があった。それは、これほど美しい絹織物が、なぜ土蔵の奥にひっそりと隠すように保存されていたかということ。この絹には、なにか問題があるのだろうか?
-------------------------------------

あらすじから想像する通りにストーリーは進みます。
つまり、変異した蚕が街にパニックが起こしていくわけですが、
被害が出てからラストまでが短いことが、なにかもったいない気がしました。
あっさり終わってしまうんですよね。
被害者が出るのも早すぎるのではないかと。
自然の変化や被害と絹織物の関係がなかなか結びつかず、
その間に被害はさらに深刻になっていく・・・というような
崩壊のプロセスをゆっくり楽しみたかったですね

余談ですが「康貴」って変換できる名前なんですね。

続きはネタバレ
テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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「追伸」 真保裕一

往復書簡だけでつづる、ある夫婦の離婚。
読んでる途中で苦手なパターンだと気づいたけど、
とりあえず最後まで読んでみました。



夫はギリシャへ単身赴任中。
妻は渡航直前に事故に遭って日本に残っている。

そこから手紙のやり取りが始まるわけだけど、
この手紙がやたら長い。
さらに手紙なのに相手も知ってる事情が説明的に書いてある。
これは手紙というより手記で、手紙にする意味がわからない。

こんな分厚い手紙貰ったら誰でも離婚したくなるよ~
というのは冗談にしても、「長々説明を書くより話し合えばいいのに」
と思ってしまうのは今の時代なら当然の感想でしょう。

手紙のやり取りが進むうちに妻が離婚を言い出した理由は、
祖母の事件に関わりがあるということがわかってくる。
妻の祖母は何かの理由で警察に捕まったことがあるらしい。
そこから祖母の事件とは何かという真相になる。

キャッチコピー的に言えば、
「戦中戦後から現代へと続く女の3代の妄執」ということかな。
そのまま午後1時半からのドラマになりますね。

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「天窓のある家」 篠田節子

短編9編を収録
9編の主人公はすべて、どこにでもいるような30・40代の男女。
しかし内面に抱えている不満不平は、今まさに爆発…



「家鳴り」が面白かったので読んでみたのですが、
これはちょっと趣向が違う作品群。
こういう不満を溜め込んでる主人公の話はあまり好きではないんだけど、
なぜか読み始めると止まらなくなるんですよね。

「友と豆腐とベーゼンドルファー」の有子は30代の主婦。
彼女の夫は妻には何の相談もなく「非人間的な競争社会」である会社を辞める。
家族の生活は有子のパート収入にかかり、
有子は食事の時間も取れないほど働かねばならなくなる。
「こうして夫は人間性を回復し、有子は人間性を剥奪された。」
それなのに、さらに夫は突然とんでもないことを言い出した。

「パラサイト」の祥子は公務員の夫と1DKのアパートで暮らしている。
しかし友人の奈々実は経済力のある両親の家で優雅な独身生活を楽しんでいる。
ブランド物で着飾って母親と買い物や旅行を楽しむ奈々実を
祥子は「寄生虫」と呼んでいた。
しかし久しぶりに会った奈々実は思いがけない生活を送っていた。

他、「手帳」「天窓のある家」「世紀頭の病」「誕生」「果実」「野犬狩り」「密会」


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「家鳴り」 篠田節子

旧題「青らむ空のうつろの中に」
短編7編を収録。



ミステリーではありません。
なかなかジャンル分けの難しい小説集だけど、ホラーというより恐怖小説、
というより「日常の崩壊」というのが一番近いかもしれませんね。

震災難民、介護、ペットロス、育児放棄、倒産、住宅ローン破産、不倫、
日々ニュースに取り上げられる現代の課題が一味違う視点で描かれています。

かといって、問題提起をするような重苦しい小説ではありません。
まあ、暗いのは暗いけど、なにより結末が予想外。
「このテーマだと、こういうふうに進んで、こう終わるだろうな」と予想して読むと、
見事に裏切られて、話は違う方向に進んでいく。
その裏切られ方とラストが、恐怖小説なのに快い、不思議な読後感でした。

篠田さんは犬好きというのも伝わってきました。
動物好きな人が持つ現実肯定観みたいなものが
恐怖を描いているのに重くならない素因かもしれませんね。

続きは各話の感想。
ミステリーではないのでネタバレというわけでもないけど、
あらすじも書いてあるので、未読の方はご注意。

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「制服捜査」 佐々木譲

北海道の小さな町の駐在所に赴任した警察官が、
地元の閉鎖性に戸惑いながら、町内で起こった事件に関わっていく連作短編集。



小さな町の駐在さんの小説ということで、
地味で奥深いストーリーを想像していたんですが、
まったく違う、現代的な凶悪事件を扱ったものでした。

いじめリンチ、虐待、小児誘拐、最近どこでも多い事件が起こり、
当然その解決も予想がつく範囲のもの。
新しい趣向としては、その事件に閉鎖的な町の事情が絡むところなんですが、
今の時代に、こういう町が本当にあるんだろうか?
なにやら時代劇や捕物帳の設定のような気がしてしまいました。

警察組織の矛盾は描かれてますけどね。

ただトップの「逸脱」はよかった。
このテイストで最後まで書いていただけるとよかったんですが。

でも、これが「このミス」2位なのか・・・
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「帝都衛星軌道」島田荘司

収録されているのは中編2作。


・帝都衛星軌道(前編)
・ジャングルの虫たち
・帝都衛星軌道(後編)
という構成。

では、真ん中に挟まれた「ジャングルの虫たち」は、
帝都衛星軌道のサイドストーリーなのかというと、違う。
小説としてはまったく別の中編である。
でも、それなのに伏線になっているところが面白い。

つまり、この本のテーマは2つの中編を通して描かれる「帝都東京」。

「帝都衛星軌道」は誘拐ものとして始まる。
都内のマンションに住む紺野夫妻の中学3年の長男が誘拐され、
身代金を要求する電話が入った。
しかし要求された身代金はたった15万円であり、
受け渡し役に指名された母親は、意味もなく山手線を周回させられる。

事件が起こった時には、ありがちな誘拐事件と思われたものが、
犯人の意表をつく要求から警察はことごとく裏をかかれ、
身代金を持った母親が姿を消してしまうという予想外の展開になる。

後半になると、今度は犯人側から描いた事件の真相になり、
誘拐事件はまったく別の事件になる。

ちょっと疑問を感じたのは、中学3年の男の子を誘拐するのは、
かなり難しいだろうということ。どうやったんだろう?

「ジャングルの虫たち」
これは東京で小さな詐欺を重ねる小悪党の話。
詐欺の手口はいくらでもあるのだなと感心してしまった。
あの両替詐欺は私も騙されると思う。

全体としてはミステリーというよりファンタジーとして読みました。

面白さの順で言うと、
1.帝都衛星軌道(前編)
2.ジャングルの虫たち
3.帝都衛星軌道(後編)

以下はネタバレ注意↓
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