kigi's Book Diary

本の感想ブログ

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  • 2017_11

「子守唄」 カーリン・イェルハルドセン

いよいよショーべり警部シリーズの3作目。
「お菓子の家」「パパ ママ あたし」に続く3部作の完結編。

1つ1つの作品で主に語られる事件はまったく別のものだけど、
刑事たちの抱える事件やトラブルは、この作品で一応解決。



第1作「お菓子の家」は特別に斬新な仕掛けがあるわけではないけれど、
よく練られた悲しい事件の物語。

2作目の「パパ ママ あたし」は、謎というより歪んだ事件そのものを描いた
ある意味、告発のような小説。

この「子守唄」は子供を取り巻く大人たちの心の課題で、
前2作より、重く辛い話です。

被害者、加害者、そしてショーべり警部の過去の謎が
少しづつ明らかになっていくという、私としては好きなタイプの小説。

きっかけとなる事件は、母子3人の惨殺事件。
結婚して移民としてスウェーデンに定住したフィリピン出身の女性と幼い二人の子供。
彼女は離婚後に収入とは不相応の高級マンションに引っ越し、
そこで子供と共に無残に殺される。

警察は当然彼女の裏の生活を想像したが、
捜査の結果は、堅実に働く平凡な生活の証拠しか出て来なかった。

動機が分からない殺人。

実はこの事件は結果であって、その前に何人かの被害者がいるのですが、
彼らが巻き込まれてしまった事件の重さと、
その代償の大きさが救いようがなくて、鬱々とした気分になってしまいます。

北欧のミステリーや映画を見ていて感じるのは、
何かの問題を、精神の内側に内側に掘り下げて行ってしまう怖さですね。
自ら傷を深くしていくような心の動きはひたすら重い。
ちょっと突き放して読まないときついです(^_^;)

そして刑事さんたちのイメージも変わりました。
ショーべり警部~~!!

1作目では有能で責任感があり、部下と家族思いの警察官で、
まさに警察シリーズものの主人公という感じでした。

それなのに、あれはなに??
家族を裏切る行動にどれだけの理由があるかと思ったら、
それだけ?
たしかに本人には深い傷なのかもしれないけど、
なんか自己欺瞞と自己弁護のこじつけのような気がしてしまった(-_-;)

逆に、母親には同情しました。
決して現実に向き合わないショーべり警部の母親は、
かなりのイライラキャラだったけど、抱えていた秘密は重かった。
まあ、ああいう態度になるのも仕方ないかもしれません。

ペドラもちょっと極端よね。
短絡的というか、一応刑事なら身近なことでも慎重な判断をしてほしかった。
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「パパ、ママ、あたし」  カーリン・イェルハルドセン

ショーベリ警部シリーズ2作目。

この作品で起こる事件は独立したものだけど、
刑事たちが巻き込まれた事件は1作目から続いているので、
1作目の「お菓子の家」から読み始めることをお勧めします。


タイトルは、ちょっと意味がわかりにくいけど、原題は「Mamma,pappa,barn」で、
直訳は「ママ、パパ、子供」だそうです。

タイトル通り、メインテーマは親子の関係。
その関係が崩れた時に起こる悲劇のパターン。

子供が守られながら育つ場所であるべき家庭。
でも親が親の責任を果たせない人でなしだったら、
家庭こそが子どもにとって辛苦の場所になってしまう。

酒浸りの母、
育児放棄の母、
変質的性癖の父、
そんな親から逃げ出した子供は無防備なまま社会に放り出される。
そして彼らの無知や経験のなさを利用しようとする犯罪者が、
子供たちを待ち受けている。

シリーズ第1作の「お菓子の家」は
悲惨な話ではあっても動機などは特に珍しいものではなく、
その分、トリッキーなストーリー。

こちらは特別なトリックなどはなく事件の経過が描かれて、
小説的なテーマに重心が置かれている感じですね。
そしてこちらは被害者視点で描かれています。

刑事たち自身に関わる事件も進展というか、
より複雑になってきました。
しかしショーベリ警部の精神状態は大丈夫なのか~~??(゜o゜)

でも4歳って、自分の歳を言葉で言えると思うけど・・・
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「お菓子の家」 カーリン・イェルハルドセン

スウェーデンの警察小説「ショーベリ警視シリーズ」の1作目。

まず、北欧ミステリーなのに、ものすごく読みやすいところに驚き。
今まで読んだ北欧ミステリーは取っつきにくい作品ばかりだったけど、
この作品はストーリーもキャラクターもすんなり頭に入ってきました。

タイトルはほのぼのしてますが、当然「ヘンゼルとグレーテル」を思い出すので、
優しい話ではないのはわかります。

予想通りに、冒頭はすさまじいいじめシーンから始まります。
さらにそれをやっているのが幼稚園児ということが衝撃。

そこから時は過ぎて、38年後。
いじめを受けていた子供の一人は孤独な大人になり、
ある日偶然、自分をいじめていた男と出会う。
そして男は死体となって発見される。



警察小説なので、主人公は事件関係者ではなくて刑事たち。
事件の捜査と刑事たちの私生活が同じレベルで描かれているので、
最初はそこがちょっと邪魔くさいかも(^_^;)

でも、なかなか個性的な面々なので、だんだん興味がわいてきます。
ただ、長々とした中東情勢の解説は必要なのかわからない。

全体のトリックや解決はごくふつう。
でも最後まで読むと、また最初から読み返したくなりました。
詳しくは↓のネタバレで。

それにしても凄まじいいじめ。
桶に顔を浸けて押さえつけたり、
縄でぐるぐる巻きにして道路の真ん中に転がして車に轢かせようとしたり、
これを大人がやったら犯罪組織でしょ。
こんなことを幼稚園児がやったことが信じられないし、
だいたいドライバーもすごい迷惑だし、社会問題になりそうな気がするけど。

ここからネタバレなので反転させてください。

トーマスのことが頭にあるから犯人の発言は男の言葉として読んでいたけど、
女と知ってから読むとちゃんと女性の言葉に読めますね。

被害者がみんな、犯人に警戒感を持っていないことが不思議だったけど、
44歳の美しい女性なら納得。

突然家に入ってきた見知らぬ人間とふつうに会話してるリーセロット、
人里離れた農場にひとりきり、雨の夜、びしょ濡れの見知らぬ人間を家に入れたカリーナ・アホネン、
とても不自然さを感じたけど、そういうことだったわけですね。
娼婦であったアン・クリスティンとの会話も、注意深く書かれてますね。

最後に、カタリーナがそこまでに登場した誰かかと思ったら違ってた。
一瞬、看護婦のマギットがカタリーナかと思ってたんだけど。
そこが推理小説との違いですね。


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「ヴェサリウスの秘密」 ジョルディ・ヨブレギャット

スペインミステリーを読むのは人生はじめてかも。

16世紀の解剖学者アンドレアス・ヴェサリウスが書き残した精密な解剖図「人体構造論」。(ネットで見られます)
その「人体構造論」には未発表の第8巻があり、
そこには人体に関するある秘密が書き残されていた。



書籍に関する謎解きは大好きなので、紹介文を見てすぐ読んでみたのですが、
内容は実は冒険活劇でした。

舞台は1888年、万国博覧会を3週間後に控えたバルセロナ。
父親の葬儀のために帰郷した若き医学者ダニエル。
彼は地元紙の新聞記者から父親が実は殺されたのではないか、
そしてその死は最近バルセロナで起こった若い女性の連続バラバラ殺人事件に関係しているらしいと聞かされる。

万国博覧会開催の表と裏で、名誉と富、愛情など人の欲が絡み合ってドロドロ…
暗い石畳の街の深夜の追跡劇、あやしい娼婦街と黒幕の美女、
下水道に住みつく謎の集団、巨大迷路、暗号、男装の令嬢・・・
娯楽小説的要素をこれでもかというほど盛り込んだ大ロマン。

途中まで読み進むと、ある有名なゴシック小説を思いだしますが、
その他にもいろいろなゴシック小説が浮かんできました。

でもなにしろ元が解剖学の謎なので、バラバラ事件ばっかりで
そこが怖かった。
ただ19世紀ごろの大学の雰囲気は好きですけどね。

ラストで読後感がガラッと変わるところが面白かったです。

ネタバレだから反転させてください。
バラバラ殺人事件や狂気の医学実験などを次々に実践するマッドサイエンティスト。
その恐ろしい目的はなにか?と思ったら、
「愛する人を蘇らせたかった」とは。
まさかそんなメロドラマで終わるとは思わなかったので、意外性に驚いた。
冒険活劇が大メロドラマの印象になりました。

でもやっぱりフランケンシュタインを思い出しますね



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「キングの身代金」 エド・マクベイン

懐かしの87分署シリーズ。

黒沢明がこの作品から『天国と地獄』の発想を得たことで有名ですが、
内容はまったく違ってます。

こちらはいかにも昔のアメリカの警察ドラマ。
個性的な刑事と行き当たりばったりの犯罪者。
身代金受け渡しの緊張場面などはないです(^_^;)

でもまだ50・60年代は犯罪もけっこうのんびりしてるんですよね。

スティーブ・キャレラ刑事とかマイヤー・マイヤー刑事は有名かと思ったんですが、
検索してもあまりヒットしなかった。
過去のキャラになってしまったのかな。
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「赤い右手」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ

わ~~びっくり。
これもミステリーなのね。
ある意味、盲点を突いたミステリーです。

意外な犯人、意外なラスト、騙しのテクニックも出尽くした感がありますが、
まだこの手が残っていたか。



98年「このミス」、海外2位。
タイトルは有名だけど、全集に入っている作品なので、
なかなか読む機会がなかったんですが、
14年に文庫版が出て入手しやすくなりました。

ただ、評価が最低から最高まで極端に分かれていて、
なかなか手が出なかったんですよね。

いろいろなところで話題になっていたので、ついに読んでみました。
結果は・・・
なんというか良くも悪くも評価通りだった(笑)

面白いという方の言っている意味もわかるし、
くだらないという方の言い分も正しい。
要するに読者を混乱させる文章で構成されている小説。

それを1つのトリックとしてみれば
トリックの死角をついた作品ということになるし、
意図されたものではないと考えれば、小説として支離滅裂という感想になる。

個々人のミステリーの定義や求めるもの、
さらには好みで変わることかもしれませんね。

読者が一番最初に感じる数々の疑問、不審、怪訝、懐疑、
それをそのまま放置して最後まで持っていく強引さはすごい。
でも、一応ちゃんと説明されてるんですよね・・・

以下はネタバレで

倒叙ものを書こうとして失敗した作品かと思った(^_^;)

そもそもまず不審に思うことは、「なぜハネムーンの途中で放浪者を車に乗せるのか?」
しかも死んだ猫を抱いてたボロボロの服を着た男なんですよ。
女性の連れがいたらスルーしますよね。

その他、
ギザギザ帽子はどこで手に入れたのか?
自動車整備業者はデクスター氏しかいないのか?
NYにはリドルという人しかいないのか?

だいたい真犯人なら「車を見ていない」と言い張ることはないと思うよね。
「通り過ぎて行った」と言った方が整合性があって疑われないんだから。

もういろいろ謎。


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「新車のなかの女」 セバスチアン・ジャプリゾ

ほぼ50年ぶりの新訳?

サスペンス色が強い作品ですが、実に細かく計算されて書かれているので、
謎解きとしても一級品。
読み終わった時、・・・というより途中でびっくり。
「騙された」感が爽快です。



タイピストのダニーはバカンス旅行に出かける社長の車を空港で預かって
自宅へ戻しておくように頼まれる。
それが新車のサンダーバード。
(まあ、この設定からして疑問は感じますよね・・・)

高級外車で高速道路を走っているうちに昂揚感を感じたダニーは、
車を無断拝借して南仏へ向かうことにする。
車は社長が海外から戻るまでに返しておけばわからないだろうという都合のいい考えで。
ちょっと疑似セレブ気分になってしまったわけですね。

ところがここから状況がおかしくなる。
途中で寄った村で、見知らぬ女性から忘れものだというコートを渡される。
今朝早く、同じ車に乗って同じ服を着た女が村の店にコートを忘れたという。
ダニーはもちろん、この村に来るのは初めてなのに。

さらに行く先々で自分を知っている人たちに出会うことになって、
悪夢に巻き込まれていく。

ここからはネタバレで。
入れ替わりがずいぶん杜撰だと思ったけど、
計画ではダニーは死んでいるはずだから、
ふたり並べて比較することができない。
車やファッションが印象に残るくらいでもいいわけなんですね。

このストーリーだと真相は成りすましか多重人格しかないはず。
ダニーのあやふやな記憶を除いて他人が関与した確実な事実を並べていくと
どちらなのかわかりますね。

決めては他人にも確認できる事柄。
・手の怪我
・車の修理
・コート
まあコートが出たことで犯人はわかります。


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「だれがコマドリを殺したのか」 イーデン・フィルポッツ

「赤毛のレドメイン」で有名なイーデン・フィルポッツの幻の名作が、
新訳で再版されました。



これは前回書いた「見えないグリーン」とは好対照の作品。
「グリーン」の方は謎解きに徹したパズルミステリーだけど、
こちらはミステリー的要素はあるけれど、基本は一人の人間を主人公にした小説で、
その人生の中に、ある事件があったということ。

それでも登場人物たちの性格や人間関係、人生観など、
すべて伏線になって事件の真相を隠していく、そのミスリードは見事です。

小説の舞台が南仏のせいかフランスの小説のような味わい
なぜヒッチコックが映画化しなかったのかと思うような
華やかで上質なサスペンスです。

ちょっとネタバレ↓

そんなに上手く騙せるのかと思ったけど、
最初の方に姉妹を「双子かと思った」「女優として才能がある」と書いてあるし、
父親は目が不自由だったり、一応条件はそろってますね。


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