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kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「満潮に乗って」アガサ・クリスティ

ポアロもの。
大富豪が若い娘と結婚した直後に爆撃で死亡。
新婚の若い未亡人は全財産を相続。
しかし富豪には彼の財産に依存して生活していた身内がいて、
彼らは、たちまち生活に困窮。
なんとか未亡人から財産を取り返そうと・・・

大富豪と若い妻。
ミステリーやドラマには大変よくあるシチュエーションで
誰が誰を殺すのか、いろいろ予想してしまうのですが、
まったく予想通りには進まないところはさすがクリスティ。

事件が起こるのは物語の中盤になってからで、
前半は愛と欲の心理ドラマがメイン。
なので、なんとなく気を抜いて読んでいたんですが、
読み終わってからわかるのは、すべてが伏線だったということ。
なにしろ全編どこにも無駄がないからすごい。

それにしてもロザリーンの秘密に関しては騙されました。
まさか会ったことないとは思わなかった。



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「終りなき夜に生れつく」アガサ・クリスティ

クリスティで、はじめてドラマの方が面白いと思った作品かもしれません。

ミステリーというよりサスペンス。
事件が起こるのは本当に最後の方で、
そのまますぐ謎解きになって終わる感じです。

クリスティには「ゼロ時間へ」のように、
事件に至るまでの人間関係を描いた作品もあるけど、
そういう話とも違うんですよね。
なんとなくミラーの「殺す風」に近い感じ。



あらすじは、
父親の財産を相続してアメリカ有数のお金持ちになった21歳の令嬢エリーが、
定職のない青年マイケルと出会って恋に落ち、極秘で結婚。
そこから悲劇が始まるという「まあそうなるだろうね」という話。

問題は逆玉の輿の青年マイケル。
職を転々とする自信過剰男。
冒頭40ページくらいはマイクの自分語りなんだけど、
どう読んでもダメ人間の自己弁護にしか思えない。
だからどうしてエリーがこの男と恋に落ちるのか謎。

令嬢が遊び人風の男に惚れるのは古典時代から定番のようなものだけど、
それにしても面白味のない男に思えるな・・・

ただ最後の方で明かされるエリーのある言葉は意味深。
もしかして、すべてわかっていたのかな?、と。
だとしたら、ストーリーがすべて変わってきますね。

夜ごと朝ごと
みじめに生まれつく人あり
朝ごと夜ごと
幸せとよろこびに生まれつく人あり
幸せとよろこびに生まれつく人あり
終りなき夜に生まれつく人もあり

Every Night & every Morn
Some to Misery are Born
Every Morn and every Night
Some are Born to sweet delight
Some are Born to sweet delight
Some are Born to Endless Night
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「チムニーズ館の秘密」 アガサ・クリスティ

学生時代に2回ほど読み始めたことがあるんですが、2回とも途中で挫折。
30年くらいかかってやっと最後まで読めた~~~
本当に退屈な話なんです。
タイトルはこの上なく魅力的なのにね。

ロンドン郊外にあるケイタラム卿の別邸チムニーズ館は
数々の歴史の舞台となった由緒ある屋敷。
そこである国際的陰謀のために秘密のパーティが開かれることになった。
しかしその前夜、客の一人が屋敷の中で殺される。

う~ん、いろいろと詰め込みすぎではないだろうか。
・バルカン諸国のある国のクーデター→王政復古。
・王位争いの陰謀と石油利権。
ここまでならスパイ小説かと思いますが、違います。
まだまだある。

・隠された女王のダイアモンドと、それを狙う変装名人の怪盗。
・不倫をネタに脅迫される貴婦人。
宝探し、ロマンス要素まで詰め込まれています。

もう何がメインの事件なのか、
何を解決すればいいのか、
いろんな事件が絡み合って、どんなストーリーなのかもわからなくなってる。

映像で見た方がわかりやすいんじゃないかと思うけど
ドラマの「チムニーズ」はまったく別のストーリーだから参考にならないし、
どこかで原作に忠実に映像化してくれないだろうか。
面白くなるかはわからないけど・・・

まあでも最終的には、たいした山場もなく解決します。

で、ちょっとストーリーから離れた話題ですが、
海外ミステリーに時々登場する「誰にも見破れない変装名人の怪盗」って
面倒くさい存在ですよね。
カーの「一角獣の殺人」なんかにも登場して、ひたすら話をややこしくしてる。

こちらは文章で読んでるだけだから変装を見破れるわけもなく、
要するに「登場人物の一人が偽物。さて誰でしょう?」という意味。
なんでこんな設定をするのか、その理由がミステリー。
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「予告殺人」 アガサ・クリスティ

なんとなく目についた本を選んで読んでいるだけなのに
同じようなトリックの作品を続けて読んでしまうのはなぜなんでしょう??



ミス・マープルものです。
今回の舞台はセント・メアリ・ミードではなく、
マープルの姪の住む小さな村チッピング・クレグホーン。

小さな村の掲示板のような新聞・ギャゼット紙に奇妙な広告が掲載された。
それは「殺人お知らせ申し上げます」
場所は村一番のお屋敷リトル・パドックス館。
趣向の変わったゲームだと思った住民たちは予告時間に興味津々で集まってくる。

そしてもちろん、ちゃんと殺人事件が起こるわけです。
小さな村の限られた住人の中で起こる殺人事件。
容疑者もごく限られるので、クローズドミステリー的楽しみもあります。

クリスティは実はマープルものの方がトリックメインのパズル的な作品が多いんですよね。
この作品もヒントが実にフェアです。
「読者への挑戦」をつけたくなるくらい。
フェアすぎて予想がついてしまったりしますが(^_^;)

最初の方の、なにげない一文が最後の決め手になるところは見事でした!

ここからはネタバレで

殺されかけて未遂に終わった事件が起こると、
だいたい狙われた人物が犯人なんですよね。
それでなんとなく予想してしまいました(^_^;)

成り代わりと入れ替わりが同時に出て来るミステリーも珍しいですね。

でもミス・マープルがものまね名人だったとは知らなかった(笑)


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「ひらいたトランプ」 アガサ・クリスティ

オリヴァ夫人の初登場作品。
「マギンティ夫人は死んだ」の次に読んだんですが、
途中まで感想書いて、すっかり忘れてました。

トランプというのはコントラクトブリッジ。
ブリッジがミステリーでよく使われるのは、
4人でやるゲームなのに実際にプレーするのは3人、
自由に動ける人間が常に一人いることで、トリックが仕掛けやすいんでしょうね。

事件が起こったのはワンフロアを占めるアパートメントの一室。
部屋の主人シャイタナ氏は奇妙な趣向のパーティを開くことで有名な人物。
そのシャイタナ氏がポアロを招いて開いたパーティは
殺人者4人と探偵役4人を招くという異様なもの。

食事の後で始まったブリッジのゲームの最中に殺人事件が起こります。
密室ではないけれど、誰も出入りしていないという意味では、
閉じた空間で起こった事件ですね。

容疑者は4人。
4人ともに殺害の機会があり動機もある。
凶器は現場にあったもので、特に技術も力も必要としない。

ポアロはブリッジの進め方から容疑者の性格をよんで推理を進めるのですが、
ブリッジをやったことがないと、意味がわからないことばかり。
ポアロの推理を淡々と読むだけになってしまうところが残念。

そのわりに純粋な謎解き話ではないし、
どうしても解決は強引な感じがしてしまいます。

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「忘れられぬ死」 アガサ・クリスティ

…というタイトルなのに、
3月に読んだ本なので忘れてしまった(笑)

ノンシリーズです。

全編がミスリードみたいな作品なので、
ネタバレしないで感想を書くのがとても難しい・・・。

読者をそんな推理の迷路に惑わせるのが、
忘れられぬ死を遂げた被害者、社交界の花ローズマリー・バートン。

若くて美しくてお金持ち。
そのうえ、優しい夫がいて熱烈な求愛者もいる。
でもわがままで勝手で、知性と思考力は皆無。

まさに嫉妬と羨望と賞賛と憎悪の対象であるローズマリー。

そんな彼女が自分の誕生祝いのパーティで毒をあおって死んだ。
古典悲劇のような舞台設定が、
ちょっと不思議な雰囲気を作り出している名作です。

以下はネタバレ感想です。
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「マギンティ夫人は死んだ」 アガサ・クリスティ

小さな村で通いの家政婦をしていたマギンティ夫人が殺された。
夫人が床下に隠していた貯金が盗まれていたことから、
同居していた間借り人ベントリイが犯人として有罪判決を受ける。
しかし事件を担当したスペンス警視は判決に疑問を感じ、
ポアロに再調査を依頼。

事件が起こったブローディニー村に向かったポアロは、
とっ散らかった民宿に滞在して捜査を開始。

散らかった部屋とか腐りかけた食事とか、
およそ秩序というものがない宿で苦笑するポアロや、
写真が重要なファクターになる謎解き、
犯人に関する重要な伏線になるシーンとか、
映像で見た方がわかりやすいかもしれないと思う作品。

なにより登場人物が多い。
しかも全員が小さな村の住人なので、
同じようなタイプの人ばかりで区別がつきにくい。
映像なら、もう少し見分けがつくかも。

全体としては、ミスディレクションがあまりにあからさまで、
釈然としないところもあるけれど、
それで完全に騙されてるんだから、やはり見事としか言いようがないですね。

おまけとしては、ミステリー作家のオリヴァ夫人も再登場。
彼女が語る、メインキャラクターの独走や作品の舞台化映像化の話が、
クリスティの本音みたいで面白いです。

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「青列車の秘密」 アガサ・クリスティ

久々のクリスティ。

子供の頃に読んだ時は「青列車」というのがなんとも不気味で、
外国ではずいぶん怖い列車が走っているものだと思ったけど、
意訳すれば「ブルートレイン殺人事件」。

ただし「青列車」は富豪のための豪華列車だから、日本の寝台特急のイメージとは
かなり違いますが、トラベルミステリーなのは同じ。
海外のトラベルミステリーの原点といわれる作品だそうです。

内容も軽いというか浅いというか、推理よりストーリーが中心。
特にヒロインのキャサリン・グレーって、浅見シリーズのヒロインのような存在ですね。

タイトルに「列車」と入ってますが、事件現場が車内というだけで
ほとんどのストーリーは南仏のリゾートで展開されます。
ロマンスも絡んだ、いかにもリゾ-トっぽい話です。

ポアロものの5作目なんですが、前の4作は
「スタイルズ荘の怪事件」
「ゴルフ場殺人事件」
「アクロイド殺し」
「ビッグ4」

こう並べてみると、この頃までのポアロはまだ古いタイプの名探偵なんだと思いますね。
自分だけが隠された証拠を知っていて勝手に納得し、突然犯人を指摘する。
もちろん古典的探偵小説に比べればヒントはいろいろ書かれてるけど、
犯人が明かされた時の驚きは、意外というより唐突。
・・・ということで「意外な犯人」で有名な作品です。

ま、「意外」にもいろいろな「意外」があるわけで・・・
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