kigi's Book Diary

本の感想ブログ

「緑のカプセルの謎」 ジョン・ディクスン・カー

これも懐かしい作品です。
今回新訳が出たので30年ぶりくらいに読んだんですが、
こんなわかりやすい話だったかな?
謎も整理されているし、ヒントも充分書き込まれているし、
とても明解な謎解きミステリーでした。

カーは解決が独善的だとか整合性がないという評価が多いけど、
もしかして翻訳が悪かったんでしょうか??

謎の提示も面白い。
複数の人間が注目していて、撮影もされているという状況で起こった毒殺事件。




目撃証言の信頼性を検証する実験はご存知の方も多いでしょう。
事件の映像を見せたり、あるいはその場で事件を再現し、
その後、その場にいた人の証言を集めると、一致しないことが多いという実験。

それを個人で実験しようとしたのがマーカス・チェズニー。
彼は自宅に身内や友人を集めて寸劇を見せ、
その後、用意した質問に答えさせることで、
人間の記憶のあいまいさを証明しようとした。

しかし、その寸劇の中で本当に殺されてしまうんですね。
彼が毒を飲まされたシーンは複数の人間が目撃し、
さらに映像にも記録されていた。

ここまででもかなりワクワクしますよね。

で、ここから犯人を割り出すことになるのはエリオット警部とフェル博士。

被害者となったマーカスが用意していた10の質問。
それを事件のあと、あらためて目撃者に問うのだけれど、
これが見事に食い違っている。
・机に箱があったか? あったならばどのようなものが?
・フランス窓から入ってきた人物の身長は?
など、質問自体にもひっかけがあって、これだけでもかなり面白い。

さらにその食い違いを映像で確認。
このあたりは検証はとても面白いんだけど、見ている人間がうるさかった。
「ほら私が正しい」「いや違う」って大騒ぎ。
小学生じゃないんだから(笑)

でも隣の部屋にいる人間の身長、6フィートと5フィート9インチは、
はっきり見分けられるものなんでしょうか。
ということで調べてみました。

ネットの換算表で見ると、6feetは182.88cm、5feet9inchは175.26cm。
マリノスならマルティノスと天野純くらいの差かな。
これならたしかに見分けられるかも。
代表でいうと、本田と香川の差くらいですね。

ちょっと話がそれましたけど、記憶していた内容よりかなり面白かったです。

続きはネタバレ反転↓
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「火刑法廷」」 ジョン・ディクスン・カー

200年前に処刑された毒殺魔にそっくりな女性。
壁に消える貴婦人。
納骨堂から消えた死体。

怪奇ロマンのように始まったストーリーが見事な伏線回収ですっきり解決、
と思いきや、さらに・・・
というお話。



結末に賛否がある作品ですが、論文じゃなくて小説ですからね。
謎があるのもまた楽しい。
読み終わった後にまた最初から読み返したくなるし、2度楽しめる作品です。

私がミステリーを読む楽しみは魅力的な謎。
パズルストーリーとして面白ければ、それで充分。
そういう意味ではベスト10には入る作品ですね。

中盤の登場人物たちの議論も
作品の中で登場人物が事件について議論する展開はかなり好きでして、
カー作品の魅力の一つだと思ってます。

新訳版


ちょっとネタバレ↓
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「キングの身代金」 エド・マクベイン

懐かしの87分署シリーズ。

黒沢明がこの作品から『天国と地獄』の発想を得たことで有名ですが、
内容はまったく違ってます。

こちらはいかにも昔のアメリカの警察ドラマ。
個性的な刑事と行き当たりばったりの犯罪者。
身代金受け渡しの緊張場面などはないです(^_^;)

でもまだ50・60年代は犯罪もけっこうのんびりしてるんですよね。

スティーブ・キャレラ刑事とかマイヤー・マイヤー刑事は有名かと思ったんですが、
検索してもあまりヒットしなかった。
過去のキャラになってしまったのかな。
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「大博打」 黒川博行

誘拐ものです。
黒川作品は読まず嫌いをしていたんですが、これは面白かった。



72歳の老人が誘拐され、息子である会社社長に身代金の要求があった。
それがなんと、金塊2トンという、とんでもない要求。
金額も大きいが当然重量も大きい!
はたして犯人は、どうやって受け取るつもりなのか?

この受け渡しのトリックもなかなか盲点で面白いのですが、
なんといっても読みどころは誘拐された老人のキャラ。
大阪商人というか、なかなかの曲者で「大誘拐」のお爺さん版という感じ。
私は「大誘拐」はあまりがハマらなかったので、こちらが方が好きですね。

関東人としてちょっと取っつきにくいところは登場人物のキャラが濃いところかな(笑)

冒頭、身代金を運ぶ車を密かに尾行して警護する警察の車。
その中の会話は、「退屈やな。ラジオかけてくれ」えっ(・_・;)
ラジオで流れるナイター中継、そして始まる阪神談議(笑)

もう一人、身代金を運ぶのは、なぜか社長の愛人なんだけど、
この女がまたとんでもない行動を・・・
まあ、愛人の父親の安否なんかどうでもいいよね。自分が大事。
でもびっくり(笑)

そんな始まり方ですが、読後感はいいし、
新喜劇みたいな警察に慣れれば、かなり面白かったです(^・^)


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「どんなに上手に隠れても」 岡嶋二人

前回書いた「99%の誘拐」より、こちらの方が面白かった。

テレビ局から売出し中のアイドルが誘拐される事件。
まだ新人なのでスタッフも少なく、控室で一人になったところを連れ去られた。

身代金は1億円。
所属事務所にはお金がないので、
身代金はCM出演が決まっていたスポンサーが肩代わりすることになる。
その裏には、人質解放と同時にCMを流せば
一気に商品の知名度が上がるという計算があった。
そこから代理店、フリー記者など、様々な利害が絡んできて
奇妙な誘拐事件になっていく。

なんでもお金に換算する世界は怖い。

裏でいろいろ損得勘定をする芸能・マスコミ界も面白いけど、
なんといっても身代金受け渡しがスリリングでユニーク。
これは盲点でしたね。

そういう点で、今でもトップレベルの誘拐小説だと思いますね。

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「99%の誘拐」 岡嶋二人

「鞆の浦」で思い出して読み返したくなった作品。
1988年の作品なので、28年ぶりくらいの再読。

実は前に読んだときに、ものすごく面白かった記憶があったんですが、
今回再読したら、記憶していたよりあっさりした事件だった。

PCを駆使した誘拐事件ですからね。
当時は驚きの機能の数々も、今なら当たり前のことばかり。
ゲームを町に持ち出すことなんて、28年前なら斬新ですよね。

今読むと、むしろ第1章で起こる事件の方が緊張感があって面白かったです。
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「赤い右手」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ

わ~~びっくり。
これもミステリーなのね。
ある意味、盲点を突いたミステリーです。

意外な犯人、意外なラスト、騙しのテクニックも出尽くした感がありますが、
まだこの手が残っていたか。



98年「このミス」、海外2位。
タイトルは有名だけど、全集に入っている作品なので、
なかなか読む機会がなかったんですが、
14年に文庫版が出て入手しやすくなりました。

ただ、評価が最低から最高まで極端に分かれていて、
なかなか手が出なかったんですよね。

いろいろなところで話題になっていたので、ついに読んでみました。
結果は・・・
なんというか良くも悪くも評価通りだった(笑)

面白いという方の言っている意味もわかるし、
くだらないという方の言い分も正しい。
要するに読者を混乱させる文章で構成されている小説。

それを1つのトリックとしてみれば
トリックの死角をついた作品ということになるし、
意図されたものではないと考えれば、小説として支離滅裂という感想になる。

個々人のミステリーの定義や求めるもの、
さらには好みで変わることかもしれませんね。

読者が一番最初に感じる読者の疑問、不審、怪訝、懐疑、
それをそのまま放置して最後まで持っていく強引さはすごい。
でも、一応ちゃんと説明されてるんですよね・・・

以下はネタバレで
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「チムニーズ館の秘密」 アガサ・クリスティ

2回ほど読み始めたことがあるんですが、2回とも途中で挫折。
30年くらいかかってやっと最後まで読めた~~~
本当に退屈な話なんです。
タイトルはこの上なく魅力的なのにね。


ロンドン郊外にあるケイタラム卿の別邸チムニーズ館は
数々の歴史の舞台となった由緒ある屋敷。
そこである国際的陰謀のために秘密のパーティが開かれることになった。
しかしその前夜、客の一人が屋敷の中で殺される。

う~ん、いろいろと詰め込みすぎではないだろうか。
・バルカン諸国のある国のクーデター→王政復古。
・王位争いの陰謀と石油利権。
これだけでスパイ話かと思ったら違います。

・隠された女王のダイアモンドと、それを狙う変装名人の怪盗。
・不倫をネタに脅迫される貴婦人。
宝探し、ロマンス要素まで詰め込まれています。

もう何がメインの事件なのか、
何を解決すればいいのか、
何をどんなストーリーなのかわからなくなってる。

映像で見た方がわかりやすいんじゃないかと思うけど
ドラマの「チムニーズ」はまったく別のストーリーだから参考にならないし、
どこかで原作に忠実に映像化してくれないだろうか。
面白くなるかはわからないけど・・・

まあ大した山場もなく解決します。

ところで、海外ミステリーに時々登場する
「誰にも見破れない変装名人の怪盗」って面倒くさい存在ですよね。
カーの「一角獣の殺人」なんかにも登場して、
ひたすら話をややこしくしてる。

こちらは文章で読んでるだけだから変装を見破れるわけもなく、
要するに「登場人物の一人が偽物。さて誰でしょう?」という意味。
なんでこんな設定をするのか、その理由がミステリーだわ。
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