kigi's Book Diary

本の感想ブログ

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  • 2017_01

「赤い右手」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ

わ~~びっくり。
これもミステリーなのね。
ある意味、盲点を突いたミステリーです。

意外な犯人、意外なラスト、騙しのテクニックも出尽くした感がありますが、
まだこの手が残っていたか。



98年「このミス」、海外2位。
タイトルは有名だけど、全集に入っている作品なので、
なかなか読む機会がなかったんですが、
14年に文庫版が出て入手しやすくなりました。

ただ、評価が最低から最高まで極端に分かれていて、
なかなか手が出なかったんですよね。

いろいろなところで話題になっていたので、ついに読んでみました。
結果は・・・
なんというか良くも悪くも評価通りだった(笑)

面白いという方の言っている意味もわかるし、
くだらないという方の言い分も正しい。
要するに読者を混乱させる文章で構成されている小説。

それを1つのトリックとしてみれば
トリックの死角をついた作品ということになるし、
意図されたものではないと考えれば、小説として支離滅裂という感想になる。

個々人のミステリーの定義や求めるもの、
さらには好みで変わることかもしれませんね。

読者が一番最初に感じる読者の疑問、不審、怪訝、懐疑、
それをそのまま放置して最後まで持っていく強引さはすごい。
でも、一応ちゃんと説明されてるんですよね・・・

以下はネタバレで
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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. 海外ミステリー
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「チムニーズ館の秘密」 アガサ・クリスティ

2回ほど読み始めたことがあるんですが、2回とも途中で挫折。
30年くらいかかってやっと最後まで読めた~~~
本当に退屈な話なんです。
タイトルはこの上なく魅力的なのにね。


ロンドン郊外にあるケイタラム卿の別邸チムニーズ館は
数々の歴史の舞台となった由緒ある屋敷。
そこである国際的陰謀のために秘密のパーティが開かれることになった。
しかしその前夜、客の一人が屋敷の中で殺される。

う~ん、いろいろと詰め込みすぎではないだろうか。
・バルカン諸国のある国のクーデター→王政復古。
・王位争いの陰謀と石油利権。
これだけでスパイ話かと思ったら違います。

・隠された女王のダイアモンドと、それを狙う変装名人の怪盗。
・不倫をネタに脅迫される貴婦人。
宝探し、ロマンス要素まで詰め込まれています。

もう何がメインの事件なのか、
何を解決すればいいのか、
何をどんなストーリーなのかわからなくなってる。

映像で見た方がわかりやすいんじゃないかと思うけど
ドラマの「チムニーズ」はまったく別のストーリーだから参考にならないし、
どこかで原作に忠実に映像化してくれないだろうか。
面白くなるかはわからないけど・・・

まあ大した山場もなく解決します。

ところで、海外ミステリーに時々登場する
「誰にも見破れない変装名人の怪盗」って面倒くさい存在ですよね。
カーの「一角獣の殺人」なんかにも登場して、
ひたすら話をややこしくしてる。

こちらは文章で読んでるだけだから変装を見破れるわけもなく、
要するに「登場人物の一人が偽物。さて誰でしょう?」という意味。
なんでこんな設定をするのか、その理由がミステリーだわ。
テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
  1. アガサ・クリスティ
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「予告殺人」 アガサ・クリスティ

なんとなく目についた本を選んで読んでいるだけなのに
同じようなトリックの作品を続けて読んでしまうのはなぜなんでしょう??

ミス・マープルものです。
今回の舞台はセント・メアリ・ミードではなく、
マープルの姪の住む小さな村チッピング・クレグホーン。



小さな村の掲示板のような新聞・ギャゼット紙に奇妙な広告が掲載された。
それは「殺人お知らせ申し上げます」
場所は村一番のお屋敷リトル・パドックス館。
趣向の変わったゲームだと思った住民たちは予告時間に興味津々で集まってくる。

そしてもちろん、ちゃんと殺人事件が起こるわけです。
小さな村の限られた住人の中で起こる殺人事件。
容疑者もごく限られるので、クローズドミステリー的楽しみもあります。

クリスティは実はマープルものの方がトリックメインのパズル的な作品が多いんですよね。
この作品もヒントが実にフェアです。
「読者への挑戦」をつけたくなるくらい。
フェアすぎて予想がついてしまったりしますが(^_^;)

最初の方の、なにげない一文が最後の決め手になるところは見事でした!

ここからはネタバレで
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  1. アガサ・クリスティ
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「ユダの窓」カーター・ディクスン

密室トリックばかりが取りざたされる作品ですが、
内容は意外にも正統派の法廷ミステリー。
そしてさらに意外にもH・M卿が本職で見事な仕事ぶりを見せてます!



事件の概要はプロローグの14ページで説明されることのみ。

・ジェームズ・アンズウェルは恋人の父親ヒュームに電話をして、
結婚の承諾を得るためにヒューム邸を訪ねる約束をする。
アンズウェルは由緒ある家系の出身で資産家。
当然、ヒュームも娘の結婚に反対する理由はなく、快く招待。

・ところが翌日、アンズウェルがヒューム邸を訪ねると父親の態度は一変。
敵対心剥きだしでアンズウェルを糾弾する。
わずか1日の間にどのような状況の変化があったのか?

・なんの心当たりもなく当惑するアンズウェル。
父親に勧められるままにウイスキーを飲み意識を失う。
気が付いたときには部屋のなかで父親が死んでいて密室状態だった。

・アンズウェルは逮捕されて裁判が始まる。

この苦境からアンズウェルを救えるのか?

そこで登場するのが被告を弁護するH・M卿。

こんなに関係者がいたのかと驚くほど、次々に出て来る証人。
彼らの証言から隠されていた事柄が徐々に明らかになる。

それにしてもヒューム氏や関係者は、いろいろ胡散臭いことが多すぎる。
このあたりの緊張感と、それを台無しにするH・M卿の発言が絶妙。

基本的なところで難点もありますが、裁判の過程は面白いです。

以下【】内はネタバレなので反転してください。
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「まるで天使のような」 マーガレット・ミラー

ヒッチハイクの途中で偶然立ち寄った謎めいた宗教施設。
そこの修道女から、一人の男を探すように頼まれたクイン。

男が住んでいたという町に行ってみると、
・探している男は6年前に失踪したこと、
・同じ町で同時期に大きな事件が続けて起こっていたことがわかる。
クインが報告のために修道院に戻ると、
調査を頼んだ修道女は隔離され正気を失っていた。



失踪事件や事故、バラバラだと思っていたことがすべて一つにつながるところは見事。
でも、ちょっと長いかな。

こんな感想を書いていてなんなんですが、
あとがきにもあるように、なんの先入観も持たないで読んだ方が面白いです。
できればカバーや見返しも見ないでね。

ちょっとネタバレ。
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「新車のなかの女」 セバスチアン・ジャプリゾ

ほぼ50年ぶりの新訳?

サスペンス色が強い作品ですが、実に細かく計算されて書かれているので、
謎解きとしても一級品。
読み終わった時、・・・というより途中でびっくり。
「騙された」感が爽快です。



タイピストのダニーはバカンス旅行に出かける社長の車を空港で預かって
自宅へ戻しておくように頼まれる。
それが新車のサンダーバード。
(まあ、この設定からして疑問は感じますよね・・・)

高級外車で高速道路を走っているうちに昂揚感を感じたダニーは、
車を無断拝借して南仏へ向かうことにする。
車は社長が海外から戻るまでに返しておけばわからないだろうという都合のいい考えで。
ちょっと疑似セレブ気分になってしまったわけですね。

ところがここから状況がおかしくなる。
途中で寄った村で、見知らぬ女性から忘れものだというコートを渡される。
今朝早く、同じ車に乗って同じ服を着た女が村の店にコートを忘れたという。
ダニーはもちろん、この村に来るのは初めてなのに。

さらに行く先々で自分を知っている人たちに出会うことになって、
悪夢に巻き込まれていく。

ここからはネタバレで。

テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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「だれがコマドリを殺したのか」 イーデン・フィルポッツ

「赤毛のレドメイン」で有名なイーデン・フィルポッツの幻の名作が、
新訳で再版されました。



これは前回書いた「見えないグリーン」とは好対照の作品。
「グリーン」の方は謎解きに徹したパズルミステリーだけど、
こちらはミステリー的要素はあるけれど、基本は一人の人間を主人公にした小説。
そして、その人の人生の中に、ある事件があったということ。

それでも登場人物たちの性格や人間関係、人生観など、
すべて伏線になって事件の真相を隠していく、そのミスリードは見事です。

小説の舞台が南仏のせいかフランスの小説のような味わい
なぜヒッチコックが映画化しなかったのかと思うような
華やかで上質なサスペンスです。

ちょっとネタバレ↓
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「見えないグリーン」 ジョン・スラデック

鮎川哲也氏絶賛ということで読んでみたのですが、
これは本当に面白かった。

巻末の解説で、こんなことが書いてあったら読まないわけにはいかないですよね。
「近頃めずらしい純粋の本格謎解き小説であり、待望久しい充実した作品」
「最後まで五里霧中をさまよわされ、読了してから作者の見事なペテンに気付いた時の楽しさ」

1977年の作品で1985年出版、2007年新装版になっていて、
新装版の解説は法月綸太郎氏



事件はいかにもパズルミステリー的です。

ミステリー好きの集まり「素人探偵七人会」。
その会合が35年ぶりに開かれることになった時、
かつてのメンバーがひとりづつ殺されていく。
さらにメンバーひとりひとりに色に関係するメッセージが送りつけられる。

単なる説明だと思って読み飛ばした文章が、最後になって実は重要な伏線だったとわかる。
最初から最後までまったく気が抜けない徹底した謎解き。

ミステリーファンでも、事件のストーリーの流れを追うような読者、
登場人物の内面ドラマを期待する向かないかもしれませんが、
メモを取りながら読むタイプの方には絶対にお勧め。

でもガチガチの理詰め推理でもないんですよ。
全体の印象はユーモラスで、
すべてのシーンで映像が浮かんでくるところは小説としても見事ですね。

以下はネタバレで
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