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kigi's Book Diary

本の感想ブログ

ミレニアム4「蜘蛛の巣を払う女」

1~3部までの作者スティーグ・ラーソンが亡くなって、
後を引き継いだダヴィド・ラーゲルクランツによる新作。

作者が変わっていることは、知らないで読んだら気付かないかもしれません。
キャラクターはきちんと引き継がれているし、
個人の問題から国際問題に絡んでいくスケールの大きなストーリーも、
ミレニアムの作風は継いでいるといえるでしょう。

でも、やっぱりもの足りない感じがありますね。
なにより、リスベットが便利な脇役になってしまったのが残念。
美しいナイフのような切れ味が薄れてしまいました。

前作の感想に、ミレニアムで一番好きなところは
登場人物たちがクレバーなところと書いたのですが、
それもちょっと違ってましたね。
先へ先へ予想を立てて考えるのではなくて、
何かが起こってから考えるという、よくあるキャラクターになってました。

1~3部では、メインになるテーマがきっちり描かれていて
そこにサイドストーリーが絡む感じだったんですが、
これはメインテーマなのかわからなかった。
NSAの問題、人工知能、アウグスト・・・、
結局一番印象に残ったのは姉妹喧嘩でした。
(アナ雪もびっくりの大ゲンカだ)

ミレニアムの先入観なしに読めば充分面白い小説だと思うので、
割り切って楽しむ方がいいですね。
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テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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ミレニアム3部作 「ドラゴン・タトゥーの女」~スティーグ・ラーソン

第1部「ドラゴン・タトゥーの女」
第2部「火と戯れる女」
第3部「眠れる女と狂卓の騎士」

さすが世界的ベストセラー、申し分のない面白さでした。
各部上下巻で全6冊、1冊でもかなり厚いのでボリュームがあります。
3巻読み終わった時は大河小説を読んだ気分になりました(^_^;)

特に「1」の上巻は登場人物紹介と物語の背景の説明なんですが、
これが長くて広範囲。
そんなことまで説明しなくていいんじゃないかと思うことが書かれてる。
まだ登場人物は把握してないし思い入れもないから退屈で、
実は最初に読んだときはここで挫折しました。

でもそのあたりは適度に流して(^_^;)、
下巻になると一気に謎解きが動き出して盛り上がります。

36年前に財閥の会長の孫娘が行方不明になった事件を
ジャーナリストが調査するんですが、
事件の謎はミステリーとして考えると巧妙とは言えません。
それよりも謎を突き詰めていく過程が面白い。
特に調査の協力者で天才ハッカーでもある、
リスベット・サランデルがひたすらカッコいいんですよ。

第2部は、そのリスベットが巻き込まれた殺人事件。
同時に彼女の過去の謎が明らかになっていきます。

3部もまたリスベットの過去に関係する謀略事件。
3部の上は動きが少ないからちょっとダレたシーンもあったけど、
下になると面白くなりました。

このシリーズの一番の魅力はやはりリスベット・サランデル。
とにかくとんでもなく頭がいい。
そして他人に依存しない強さがある。
それは格闘的な意味で自分を守る能力があるということ。
ただ悲鳴を上げているヒロインではないところがよかったですね。

2番目の魅力は登場人物のクレバーさ。
きちんと危機管理が出来ているところ。
こういうサスペンスものでは山場を作り出すために
主人公がわかりきった罠にハマったり、勝手に墓穴を掘ったりするものだけど、
そういうわざとらしい見せ場作りがないんですよ。
そこは本当にストレスなく読めるところでした。

でも作者はこの本の出版前に亡くなったとか。
続きが読めないのは残念ですね。

映画は見てないけど、映像化されると「見せ場作り」が始まりそうで心配ですね。
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「何が困るかって」坂本司

いつもの坂本司ものだと思うと、かなりブラック。
殺意、憎悪、嫉妬、そんな負の感情を目いっぱい暗く描いた作品集。

「勝負」
多摩に住んでいたころは駅までバスで通っていたので
この勝負はリアルにわかりますね(笑)

「カフェの風景」
騒がしい子供連れにキレるおばさんグループ。
それを見て腹を立てる若者、
それをネットにアップするオタク、それをあざ笑う女子高生。
みんなが誰かに怒っている世界。それは人間だけじゃなくて…

「ライブ感」
「ネットっていいよね。ライブ感がすごい。」
みんなで同じ店に行ってみんなで同じ物食べて
同じ写真をアップする。
話題になっているその場にいるライブ感はわからないこともないけど、
それが優越感になって暴走すると大変なことに!
テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
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北欧ミステリー「緑衣の女」 「湿地」アーナルデュル・インドリダソン

北欧ミステリーはなんとなく取っつきにくいイメージがありますが、
名前が覚えにくいという点を除けば、とても読みやすいミステリーです。

ミステリーの中には、時間を遡って謎を追っていくタイプの小説があります。
被害者や犯人の過去を捜査していくうちに
隠されていた意外な秘密が浮かび上がってくるという仕掛け。

このアーナルデュルの「湿地」「緑衣の女」は、そういうタイプのミステリーで、
隠されていた過去の意外性が特徴。

いきなり事件から入る導入部と、
登場人物の無駄な描写や薀蓄がないところも好きなところなんですが、
ひとつだけ不満なのは、あいかわらず刑事の家庭は破たんしていて、
娘は麻薬漬けになって社会の底辺に落ちているところ。
しかも妊娠中。
どうしてこういう設定なのかな~?
事件より娘のことが優先したりするし、ちょっと面倒だと思ってしまいました(-_-;)

・「湿地」

古いアパートで老人が撲殺されて、
死体の上に謎のメモが残されていた事件。
単純な行きずり強盗と思われた殺人事件が、被害者を調べるうちに
過去の暴力事件とアイスランド特有の生活文化による特異な背景がわかってくる。
人口33万人の国ですからね、国民みんなが、どこかでつながってしまう。

・「緑衣の女」

ゴールドタガー賞、ガラスの鍵賞受賞

開発中の住宅地で人骨が発見される。
人骨は50~70年前に埋められたものと推定され、
人物特定のため当時付近に住んでいた人々についての捜査が始まった。

並行して描かれるのは凄まじい家庭内暴力と、
結婚間近の女性の自殺の謎。
二つの家族の問題が人骨の発掘と判定によって二転三転するところが面白かったです。
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「残穢」 小野不由美

怖いです。これはマジで怖い本。

「久保さんは、その部屋に何かがいるような気がする、と言う。」

賃貸マンションに引っ越してきたばかりの女性ライター"久保さん"は、
深夜、仕事中に自分以外のものの気配を感じる。
相談を受けた作家である「私」と久保さんは前の住人や土地の調査を始める。

おどろおどろしいホラー描写はほとんどなくて、
怪奇現象の原因を調査するドキュメンタリー風になっているところが
リアルで怖いんですよね。

ひとり暮らしやセンシティブな人は本当に読まない方がいいと思う。

私も怖かったけど、
我が家はけっこう怪しいことがある家なので、まあ慣れてます・・・
一族で100年以上住んでいるようなお宅なら、
けっこうあることだと思う。

というか、数十年前までの日本、私が子供のころの日本は、ま
だこういうことが日常にある世界だったと思いますね。

例えば、家族が1階にいるのに2階で引き戸を開け閉めする音が聞こえたり、
2階にいると下の廊下を歩く音が聞こえる。
仏壇の仏具の位置が変わってる、などなど。

そんな時、祖母は「(亡くなった)おじいちゃんが帰ってきてる」なんて言ってましたっけ・・・
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「悪医」久坂部羊

本当に悪い医者とはどういう医者なのか、
医者と患者の認識と知識の差から来る気持ちのすれ違いを描いた小説。

患者は『治療』イコール『病気を治すこと』と思い込んでいるが
医療者は『治療』イコール『やり過ぎると大変なことになる』ってことを知ってる
----------------------------------------------------------

ガンで余命3ヶ月を宣告された小仲辰郎52才。
医者に「もう治療法がない」と言われて絶望と怒りで病院を飛び出し、
自分を治してくれる医者を探す。
テレビやネットで話題になった病院を転々として
次々に新しい治療法を試してみるけれど、
検査結果は悪くなるだけで、体力もなくなってしまう。

一方、治療法はないと宣告した医者の森川も悩んでいた。
医者の使命は患者の命を延ばすことと考えている森川には、
命を縮めるとわかっている治療は出来ない。

医者は病気と治療法、体力を判断して最善と思われる方法を提案する。
しかし患者の方は自分は治ると信じているから
治療をしない医者はやる気のないダメ医者と決めつける。

抗がん剤の副作用で命を縮める状態だと言われても
治療を続けてほしいと望む患者。
人間の命には限りがあるし、医者は全能の神ではない。
どこで諦めるか、どこでキリをつけるか答えのない課題ですね。

ちょっと思ったのは主人公の小仲を筆頭として
ここに登場する患者はみんな自分にノルマを課して
自分で自分を追い詰めるタイプばかりなんですよね。
ほどほどというか適当というか、心のゆとりは大事かもしれないと思いました。

「怒りが症状を悪化させる」「痛みが出る」というのは
経験上とても納得できたので。

人間は全能の神ではないから出来ることをするしかないとは思いますが、
自分のこととなると理性だけでは割り切れない感情が出るから
難しいですね。
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「花嫁のさけび」 泡坂妻夫

デュモーリアの「レベッカ」の本格版と言われる作品。
前半はレベッカの翻案じゃないかと思われるくらい同様に話が進みます。
有名人の再婚、若くて素朴な花嫁、すべてが完璧と言われる前妻、
前妻に心酔している家政婦など、すべて同じ。

そして結婚を祝うパーティが開催され、そこで殺人事件が起こる。
ここから独自のストーリーになっていくのですが・・・

ネタバレなので反転させて読んでください。
【 伊津子が屋敷の様子をあらかじめ知っていたという証拠が細かすぎ。
泳げない人はプールでも「溺れそう」と言うだろうし、
耳が落ちそうというのも冗談として成り立つんじゃないでしょうか。
私は、はじめて会った犬になつかれることが多いしね。

あと、貴緒が取り巻きが言うような完璧な女性ではないにしても
慰謝料を取るために浮気の証拠をでっちあげるという動機がしょぼい。

死体の隠し方が雑。

部屋の鍵というのは中からは開くと思うのですが

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彼女たちはみな若くして死んだ

若い女性が被害者となった殺人事件10件のレポート。

タイトルは実話週刊誌のように扇情的ですが
覗き趣味のレポではなくて、事件と捜査の真面目な記録。
ヒラリーウォーがこの本を読んでミステリーの着想を得たということで、
「警察捜査小説」というジャンル誕生のきっかけとなったと言われています。

1949年に刊行された作品なので
取り上げられている事件は100年以上前のものばかりですが、
その後のミステリー小説を連想させる有名な事件が多かった。

最近は残虐な事件が増えたので、あまり驚かなくなってしまったけど、
それでもやはり現実に起こった事件だ思うと痛ましいです。

加害者は、恋人や元恋人、夫・元夫、ストーカー。
一昔前の事件とはいっても若い女性が被害者になる事件の動機は
今でも変わっていないんですね・・・
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